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世界で戦う「なでしこジャパン」澤 穂希が語る(第2回)

2010年12月10日

今月のゲスト:日テレ・ベレーザ所属/女子サッカー日本代表 澤 穂希さん

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なでしこジャパンは先日の2010広州アジア大会女子サッカーで初の金メダルを獲得しました、おめでとうございます!
女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」。今注目を集めている女子サッカーも、オリンピックの種目に選ばれて数年は競技人口も少ないマイナー競技でした。そんな中、14歳で代表入り、高校在学中にアトランタオリンピックに出場して以来17年間、日本代表を務める澤穂希さんはまさに先駆者存在です。唯一無二の存在感で日本女子サッカー界の認知度向上に貢献し、現在も現役でチームを引っ張るスーパーヒロイン。どうして17年間も代表を務められたのか。これから日本女子サッカーはどうなるのか。アメリカと日本を行き来しながら女子サッカー界を見つめる澤さんが語ります。

第2回 最近やっとサッカーのことがわかるようになってきた
現役生活で自分に満足することはない

今、こうしてサッカーを続けていられるのは、本当にサッカーが好きだからです。他のことは多少犠牲にしても、全く気にならないくらい常にサッカーが一番。
サッカーというスポーツはすごく奥が深くて、私でもやっとわかってきた気がするのはここ2、3年のことなんです。今でもできないことはたくさんあるのですが、少しずつできることが増えていくにつれて、よりサッカーの楽しみや深みを味わえるようになりました。頭で考えながら足でボールをコントロールして相手の裏をかくというのは、簡単にできることではありません。現役生活で、サッカー選手としての自分に満足することはないと思います。この年になってももっとうまくなりたいと思っていますし、伸び代もあると信じています。サッカーを続けているうちは、とことん上を目指してやっていきますよ。

アメリカ代表と日本代表、それぞれの個性

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HILLS CAST収録風景

私は今アメリカと日本、両方のチームでプレーしています。女子サッカーのアメリカ代表はレベルの高い強豪チーム。特に強みになっているのは身体能力の高さです。体が大きくてパワーがあるので、身長180cm位の選手が中盤を飛ばしてバーンとシュートするというダイナミックなプレーも多い。私のポジションは中盤なので、飛ばされると行ったり来たりしてしまって、初めはすごく苦労しました。
アメリカ人は体の強さを使った試合の勝ち方を良く知っているので、学ぶことはたくさんありますね。対して、日本代表の強みは戦術や技術。私がドラフト1位で指名されたのも、パスの質やファーストタッチの技術など、アメリカの選手にはない良さを買ってもらったのだと思っています。

プロフール

1978年、東京生まれ。日テレ・ベレーザ所属。6歳でサッカーを始める。中学入学と同時に読売ベレーザ(現・日テレ・ベレーザ)に入団し、14歳で代表入り。高校在学中の96年にアトランタオリンピックに出場。99年渡米。セミ・プロリーグの「コロラド・ラッシュ」、プロ・リーグ「アトランタ・ビート」に在籍。2004年帰国し、日テレ・ベレーザに復帰。2005年5月女子代表最多となる通算52ゴール目を記録。7月 L・リーグ通算得点ランクトップとなる105ゴール目を記録。2009年1月にベレーザから米国プロリーグのワシントン・フリーダムへ移籍。2010年シーズンは21試合に出場し3得点を挙げた。ベストイレブン5回、敢闘賞2回、アシスト王1回、2004年アジアサッカー連盟年間最優秀女子選手。