森ビル株式会社

夜景も恋愛も高校野球も全てエンターテイメントの素(第1回)

2010年11月05日

今月のゲスト:お笑いコンビ「アンジャッシュ」 渡部 建さん

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お笑いコンビ「アンジャッシュ」のツッコミ担当としてバラエティ番組などで活躍しながら、ラジオナビゲーター、小説家、夜景観賞士、高校野球についての新聞連載、恋愛心理学についての雑誌連載、食べ歩きのブログ…と、その幅広い活動は枚挙にいとまがない渡部建さん。
多忙を極める生活を送りながら、多くのことに興味を持ち探求していくエネルギーは、どこからくるのか。「自分ならではのエンターテイメントを確立したい」という渡部さんの思いにそのヒントが隠されていました。

第1回 好きなことでギャラをもらう幸せ
夜景観賞士の資格を取るまで

僕が夜景観賞士という資格を初めて知ったのは、新聞の広告を見たのがきっかけでした。ちょうど「どうして人は夜景を見るとロマンチックになるのか」ということを考えていた時で、「これは面白いし、芸能人で持っている人はいないだろうな」という嗅覚も働いてテキストを取り寄せて受検。無事合格して、資格を手に入れることができました。
僕が受検したのは、記念すべき第1回。今はルールが改訂されてインターネット受検もできるようになっているのですが、当時は受検票と鉛筆と消しゴムを持って会場まで受検に行きました。勉強は結構大変ですよ。日本全国に120カ所ある「日本夜景遺産」や夜景の種類、夜景文化の成り立ちから夜景観賞時のマナーまで、覚えることはたくさんあります。それでも勉強をしていくと「ビルから見下ろす夜景は市街地夜景という種類だ」とか、「経済評論家が日本三大夜景である神戸の摩耶山掬星台の1日の電気代を算出したら、100億ドルの夜景と呼べる程だった」とか、面白いことも多いんです。

自分ならではのエンターテイメントを

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摩耶掬星台展望台(神戸観光壁紙写真集より 
http://kobe-mari.maxs.jp/

夜景観賞士の資格を取ったり小説を書いていたりして、「お笑い芸人なのに何をしているんだ?どこを目指しているんだ?」と言われることが多々あるのですが、最近その答えがやっとわかってきました。
僕、お笑いに自信がないんです。お笑いだけで勝負ができる本当に面白い人はたくさんて、そこで同じように戦っても勝てないということに気付いてしまった。だから僕は手広く色々なことをしていく中で、自分ならではのエンターテイメントが確立できればいいなと思っています。
当然、始めは興味があって手を出したことでも、仕事として続けていくとなると嫌になる時もありますよ。「こんなはずじゃなかったのに、面倒くさいな」と思ってしまう時には「ちょっと待てよ」と。「好きで始めたことで自分はギャラをもらっているんだ」というところに立ち返ると、もう嫌とは言っていられません。そんな幸せなことはありませんから、資格の勉強も読まなきゃいけない本がたくさんあるときも、苦にはならないんです。

プロフール

1972年、東京生まれ。お笑いコンビ「アンジャッシュ」のツッコミ担当。1994年に児嶋一哉とアンジャッシュを結成し、2003年1月『爆笑オンエアバトル』第5回チャンピオン大会で優勝。2010年9月に3年間パーソナリティーを務めた「PLATOn」(J-WAVE)が終了。2010年7月27日には初の書き下ろし小説「エスケープ!」(幻冬舎)が発売され小説家デビューを飾ったほか、「恋愛心理内科ワタベクリニック」(MEN'S NON-NO)、「渡部建の感動ごちそうさま!!」(報知高校野球)の連載など幅広い分野で活躍。現在、アンジャッシュのコントDVD「キンネンベスト」が発売中。