森ビル株式会社

限界への挑戦を繰り返して築き上げたもの(第4回)

2010年10月22日

今月のゲスト:長野五輪スピードスケート金メダリスト 清水宏保さん

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長野オリンピックスピードスケートで金メダルと銅メダル、ソルトレークオリンピックでも銀メダルを獲得した清水宏保さん。日本ではマイナーだったスピード スケートという競技を自らの勝利を持ってメジャーの舞台へと引き上げ、2010年3月に引退を宣言してからも、後輩への指導や後援会やイベントへの出席を 通じてスピードスケートの素晴らしさを発信し続けています。高身長が有利とされる競技において、小柄な体型や重度の喘息患者であるという一見不利な条件を 抱えた清水さんが、金メダリストになることができた理由とは?

第4回 海外と日本行き来する選手生活を終えて
最近気になるのは、「平河町森タワー」

僕は建築も好きなんです。現役選手だった頃から、海外に行けば必ず建築物をチェックしていました。どんなデザインで何の素材を使っているか、インテリアやガラスはどうなっているか。その場所の気候や色使いを考えながら見るのが好きです。
日本ではこれまでも「六本木ヒルズ」と「表参道ヒルズ」には特に関心を持って見てきました。古い日本の建築になかった構造や素材感、モダンな雰囲気も含めて全てに興味が湧きますね。
最近気になっているのは「平河町森タワー」。森ビルが培ってきたモノすべてを結集し、凝縮し、洗練されている。街を歩いていてふと気付くと突然現れるような、隠れ家的な印象も気に入っています。たまたま知り合いが住んでいて招待していただいたことがあるのですが、ビル内もとても素晴らしくて、「ここに住みたいな」と思いました。

海外生活で、自分や日本を客観視できた

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平河町森タワー

現役の頃に行っていた海外といえば、100%地元の文化が占めるような観光客が訪れることのない地域。現役を引退してから行く海外は、いわゆる観光地です。
観光客が足を踏み入れることを前提にした場所は他文化を受け入れる態勢が整っています。その違いは大きいですよ。観光地に行けば、買い物もできるし、観光客向けの美味しいものも食べられる。観光名所として古い街並みや世界遺産が残っていて、歴史的な建築とも出会えます。でも、海外に行って得られるものはそれだけではありません。
行き先が観光地でもそうでなくても、未知の文化に触れることによって自分や日本を客観視することができる。自分がやっていることや常識と疑わなかった固定観念が、異なる文化に触れて覆されたり枠が広がったりする発見が、一番の楽しみだと思っています。

プロフール

1974年、北海道生まれ。1998年9月NEC入社。CSR推進本部社会貢献室在籍。幼稚園からスケートを始める。91年浅間選抜500メートルで日本高校新記録を出し、全日本スプリントで総合4位に入り脚光を集める。以来長年に渡り、世界のスピードスケート短距離界の第一人者として活躍。
長野オリンピック500メートルでは金メダル、1000メートルで銅メダル、ソルトレークオリンピック・銀メダルを獲得。世界距離別選手権500mでは、 1998年~2001年4連覇。2001年大会で34秒32の世界新記録を樹立した。2010年3月5日に現役引退を表明。現在は喘息の啓蒙活動、講演会・イベントへの出演、執筆活動等、文化人として幅広く活躍中。