森ビル株式会社

東京の街で、ヒマラヤ散歩をするその理由(第4回)

2010年09月24日

今月のゲスト:プロスキーヤー 三浦雄一郎さん

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70歳でエベレストに登頂、当時の世界最高年齢登頂記録を樹立。75歳で二度目の登頂を果たした、プロスキーヤーの三浦雄一郎さん。現在も、次の目標に向けて日々トレーニングを続ける冒険家です。
足首に錘をつけ、背中にザックを背負い、高層ビルの階段を下って普段の散歩もトレーニングに。札幌と東京を行き来する生活のなかで、都会での生活を山を登るように楽しんでいるそう。三浦さんを冒険へと掻き立てるものは何なのでしょうか。挑戦し続けるその秘訣について話を聞きました。

第4回 東京の街で、ヒマラヤ散歩のその全貌
自分の育った日本が一番楽しい

昔は六本木ヒルズの近くに住んでいたこともありますし、東京の街は大好きです。ヒマラヤに行っても、南極や北極、アンデス、と世界中のどこに行っても、自分の育った日本が一番良いですね。
東京の街を散歩するのはとても楽しいんですよ。足首に錘をつけて、背中にザックを背負って、週に4回くらいは都市を散歩しています。都庁がヒマラヤのピークに見えたりして、「東京の街で、ヒマラヤ散歩だ」と、都市の生活を楽しんでいます。

原宿から東京駅まで、富士山を登るつもりで

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例えば、仕事で大阪に行くために、東京駅から新幹線に乗ろうとすると、原宿から東京駅まで、片足5キロ、背中20キロの錘を付けて歩いて行く。
だいたい9キロメートル程度のコースになりますが、明治神宮外苑や国立競技場、東宮御所の付近、国会議事堂、皇居、二重橋と、東京の景観を満喫する最高の散歩コースになります。ただ、東京駅周辺に近付くころには、だんだんふらついてきて、東京駅のなかをはいずるように階段を上って、新幹線にはよじ登るようなイメージ。
そうすると、もう富士山の頂上に立ったくらいの気持ちの良い疲労感を味わうことができます。あとは、トイレで着替えて、眠っている間に、大阪に到着です。

プロフール

1932年、青森県生まれ。プロスキーヤー、クラーク記念国際高等学校校長。1964年イタリア・キロメーターランセに日本人として初めて参加、時速172.084キロの当時の世界新記録樹立。1970年エベレスト・サウスコル 8,000m世界最高地点スキー滑降(ギネスブック掲載)を成し遂げ、その記録映画「THE MAN WHO SKIED DOWN EVEREST」はアカデミー賞を受賞。1985年世界七大陸最高峰のスキー滑降を完全達成。2003年エベレスト登頂、当時の世界最高年齢登頂記録(70歳7ヶ月)樹立(ギネス掲載)。2008年、75歳にして2度目のエベレスト登頂を果たす。記録映画、写真集、著書多数。