森ビル株式会社

小泉今日子が原宿から伝えるメッセージ(第5回)

2010年08月27日

今月のゲスト:女優 小泉今日子さん

1008_img.jpg

女優や歌手としてだけでなく、読売新聞の読書委員を務めるなど、近年ますます活動の幅を広げ活躍する小泉今日子さん。2010年7月には、原宿の様々な風景を切り取り、エッセイと共に綴った『原宿百景』が出版されました。中学時代に初めての遊び場として通うようになってから、移りゆく原宿の街と共に歩んできた小泉さん。
『原宿百景』を出版したことは、自分が感じてきたことを次の世代へ伝えたい、という責任感があるからだそう。小泉さんが、様々な思いの詰まった都市のエピソードを話してくれました。

第5回 ラフォーレ原宿で憧れを膨らませて
原宿での思い出を象徴する、ラフォーレ原宿

連載のタイトルも『原宿百景』ですし、まだ百景まで集められていないとはいえ、思い出に残っている場所は多々あります。
特に、連載一回目で撮影したラフォーレ原宿は、10代の時から通い詰めていた印象深い場所でした。しかし「新しく、格好良いファッションビルができた」と思っても、私は10代でしたから、あまりお金も持っていない。だから、すごく欲しいブランドが入っていても買えないから、ひたすらぐるぐる回って洋服を見て遊んだりしていました。ラフォーレ原宿は、私の原宿の記憶を象徴する場所とも言えるかもしれません。

『原宿百景』に収めきれなかった原宿の風景

1008_5_1.jpg

もうひとつ原宿の街で印象に残っているのは、今は無くなってしまった原宿プラザビル。地下がロンドンのマーケットのようになっていて、ぐちゃぐちゃとかわいい雑貨が並んでいたんです。そこには当時の私でも買える値段のものがおいてあったので、ラフォーレ原宿で憧れを膨らませて、原宿プラザビルで安いものを集める、という“はしご”をして遊んでいました。
これも今は無い風景ですが、歩行者天国があった時に道でパフォーマンスしていた人とも話してみたいですね。『原宿百景』に収めたい原宿の風景は、まだまだたくさんあるんです。

プロフール

神奈川県生まれ。1982年「私の16才」で歌手デビュー。以後、「なんてったってアイドル」「学園天国」「あなたに会えてよかった」など数々のヒットを放つ。1983年の映画デビュー以来数々の主演出演を果たし、近年は映画「空中庭園」「やじきた道中てれすこ」「グーグーだって猫である」「トウキョウソナタ」他に出演、舞台「シブヤから遠く離れて」「労働者M」「恋する妊婦」他に出演するなど女優としての活動も盛んに行なっている。また、2004年より読売新聞の読書委員をつとめるなど、活動は多岐に渡る。2010年7月には、雑誌「SWITCH」の連載をまとめたエッセイ&ガイドブック『原宿百景』を出版。