森ビル株式会社

小泉今日子が原宿から伝えるメッセージ(第4回)

2010年08月20日

今月のゲスト:女優 小泉今日子さん

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女優や歌手としてだけでなく、読売新聞の読書委員を務めるなど、近年ますます活動の幅を広げ活躍する小泉今日子さん。2010年7月には、原宿の様々な風景を切り取り、エッセイと共に綴った『原宿百景』が出版されました。中学時代に初めての遊び場として通うようになってから、移りゆく原宿の街と共に歩んできた小泉さん。
『原宿百景』を出版したことは、自分が感じてきたことを次の世代へ伝えたい、という責任感があるからだそう。小泉さんが、様々な思いの詰まった都市のエピソードを話してくれました。

第4回 「原宿百景」の連載を通して思ったことは
街角を歩いて蘇ってきた記憶をエッセイに綴って

原宿の街角を歩いていると、色んな記憶が蘇ってきます。「ここでこういうことがあったな」とか、「ここであの人に会ったな」とか、蘇ってきた記憶を辿って『原宿百景』のエッセイにまとめました。
例えば、「コロンバン」という喫茶店で撮影をしていた時には、撮影が終わったら、喫茶店の入り口に中学校の時の担任の先生が立っていたんです。実は、「コロンバン」の社長もその先生の教え子だったらしく、「今日子ちゃんが撮影に来るよ」って先生に知らせてくれたみたいで再会することができて、とても面白かったです。

自分のなかにあったたくさんの原宿の思い出

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『原宿百景』では、旧知の人から初対面の人まで、たくさんの人と対談させていただきました。原宿という街を中心に話すので、初対面でもあまり初めて会ったという感じはしなかったですね。私は原宿で遊んでいたころから、一人で行動して、人と出会って、という生き方をしてきた気がします。同じようにして、DJになった人やモデルになった人もたくさん知っていますし、原宿はそういう風にして生きていく私たちを受けて入れてくれる大人がいる街。
ファッションブランド「MILK」のデザイナー大川ひとみさんもそのうちのひとりで、お店で初めて出会ったときに「お茶飲んでいきなさいよ」と言われてから、今でもずっと関係が続いています。
『原宿百景』という連載を通して、記憶も人との関係も、色んなことが繋がって、「私の中にはこれだけたくさんの原宿の思い出があったんだな」と、改めて思いました。

プロフール

神奈川県生まれ。1982年「私の16才」で歌手デビュー。以後、「なんてったってアイドル」「学園天国」「あなたに会えてよかった」など数々のヒットを放つ。1983年の映画デビュー以来数々の主演出演を果たし、近年は映画「空中庭園」「やじきた道中てれすこ」「グーグーだって猫である」「トウキョウソナタ」他に出演、舞台「シブヤから遠く離れて」「労働者M」「恋する妊婦」他に出演するなど女優としての活動も盛んに行なっている。また、2004年より読売新聞の読書委員をつとめるなど、活動は多岐に渡る。2010年7月には、雑誌「SWITCH」の連載をまとめたエッセイ&ガイドブック『原宿百景』を出版。