HILLS CAST
“東京をおもしろくするアイデア”を持ったゲストをお迎えしてお届けする「HILLS CAST」は、J-WAVEのラジオ番組「森ビル presents 東京コンシェルジュ」内で放送していた森ビルのラジオCMです。
※掲載内容は、取材・放送時点のものです。
小泉今日子が原宿から伝えるメッセージ(第3回)
2010年08月13日
今月のゲスト:女優 小泉今日子さん

女優や歌手としてだけでなく、読売新聞の読書委員を務めるなど、近年ますます活動の幅を広げ活躍する小泉今日子さん。2010年7月には、原宿の様々な風景を切り取り、エッセイと共に綴った『原宿百景』が出版されました。中学時代に初めての遊び場として通うようになってから、移りゆく原宿の街と共に歩んできた小泉さん。
『原宿百景』を出版したことは、自分が感じてきたことを次の世代へ伝えたい、という責任感があるからだそう。小泉さんが、様々な思いの詰まった都市のエピソードを話してくれました。
第3回 子供の頃から今まで、変わらず好きな街
原宿には子供を受け入れる器がある
少女時代に「遊び場」として入り浸っていた原宿ですが、「原宿百景」の連載を始めてから、大人になった今でも好きなのはどうしてかと考えるようになりました。改めて考えてみると、原宿は安全な街ですよね。明治神宮もあって、俗っぽいお店が作れないような雰囲気があるのか、夜は昼間とは打って変わって静かな街になります。昼間は、子供達も楽しい気分で歩けて、夜になって暗くなればお店も閉まるので自然と「さあ、帰ろう」と思える。
原宿は、ある世代の子供達をきちんと受け入れる器があって、住んでいる大人もそれをよくわかっている。だから、子供の頃から大人になった今まで、ずっと好きなのかもしれません。
離れてみて東京のことがわかるようになった

今は東京を離れて、海の近くに住んでいます。少し離れて東京を見ると、良いところも悪いところもはっきりと見えるようになりますね。例えば、海外旅行に行ったりすると、「日本のこういうところって誇りだったのか」って、外から日本を眺めてみて初めて気が付くことがあると思うのですが、今は東京に対してそういう気持ちでいます。毎回来る度に「都会だな」って思っているんですよ。今住んでいるところは夜になったら開いているお店なんてほとんど無くて、そこがまた良いところでもあるんですけれど、東京に住んでいたら、仕事が終わった後にネオンにつられて一杯飲んじゃうって日々が続いてしまいそうです。
プロフール
神奈川県生まれ。1982年「私の16才」で歌手デビュー。以後、「なんてったってアイドル」「学園天国」「あなたに会えてよかった」など数々のヒットを放つ。1983年の映画デビュー以来数々の主演出演を果たし、近年は映画「空中庭園」「やじきた道中てれすこ」「グーグーだって猫である」「トウキョウソナタ」他に出演、舞台「シブヤから遠く離れて」「労働者M」「恋する妊婦」他に出演するなど女優としての活動も盛んに行なっている。また、2004年より読売新聞の読書委員をつとめるなど、活動は多岐に渡る。2010年7月には、雑誌「SWITCH」の連載をまとめたエッセイ&ガイドブック『原宿百景』を出版。