森ビル株式会社

「人間好き」の別所哲也さんが見つけた都市を楽しむ術(第4回)

2010年05月21日

今月のゲスト:俳優 別所哲也さん

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俳優としての活躍に留まらず、ラジオのナビゲーター、国際短編映画祭の主宰など、多岐に渡って活動を続ける別所哲也さん。その原動力は、自分自身の「寂しがり屋」な性格にあると言います。別所さんが教えてくれた、都市での生活を楽しむ術からは「人と人との繋がりから生まれるもの」を大切にする彼の姿勢が垣間見えました。

第4回 今年で12年目を迎える「ショートショート フィルムフェスティバル」
ショートフィルムはコーヒーで言うエスプレッソ

「ショートショート フィルムフェスティバル」という国際短編映画祭を始めて、今年で12年目を迎えます。僕自身、はじめはショートフィルムに対して懐疑的なところがあったんです。きっと見ても面白くない実験映画で、閉じた世界なんじゃないかと思っていました。でも、いろいろと見ていくうちに、長編映画とは全く違う魅力があるということに気が付きました。
コーヒーで言うとエスプレッソコーヒーのように、映画的な世界がギュッと凝縮されている。それでいて宇宙のような映画的空間が広がっている、長編映画に負けない魅力に魅せられて、この映画祭をスタートしました。

映画から伝わる強いメッセ―ジ

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上から)3Dプログラム「仙術超攻殻 ORION」
ミュージックShortクリエイティブ部門「ゆっきーな」

「ショートショート フィルムフェスティバル」、色々な価値観に出会える場所。国際都市・東京にいる僕達でも、実は国際的な感覚に触れていると思っていても、アメリカ的な物に偏っていたり、ヨーロッパ的な物に偏っていたり、韓流ブームの時は韓国の物に偏っていたり、とても断片的にしか触れられていないことがある。
「ショートショート フィルムフェスティバル」」を始めて、南米のとても面白い映像作品に出会ったり、北欧の作品に日本的なセンスと通じる物を感じたり、意外な場所の意外な価値観に出会うことができました。世界中の国々のキラキラと輝く宝石の原石を集めたような、博物館や美術館に行ったような感覚を味わっていただけると思います。
映画の魅力は長さに比例する物ではなくて、映像作品が持っている強いメッセージが直球で伝わってくるかどうかだと思っています。

【ショートショート フィルムフェスティバルとは】 

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米国アカデミー賞公認、日本発アジア最大級の国際短編映画祭。
1999 年、東京原宿で映像王国ハリウッドに集まったショートフィルムを紹介する映画祭としてスタートして以来、有名監督の初期短編映画や、若手映像作家が産み出した作品など、これまで700 本以上にも及ぶ作品が、世界50 以上の国や地域から日本に紹介されています。
2004 年には、米国アカデミー賞の公認映画祭として認定を受け、本映画祭でグランプリを獲得した作品は、次年度米国アカデミー賞のノミネート対象となります。また、映画祭開催初年度から毎年ジョージ・ルーカス監督に応援いただくなど、世界中の映画人から愛される映画祭として成長を遂げてきました。
年々規模が大きくなる本映画祭は、現在ではアジア最大級、日本で唯一の米国アカデミー賞公認短編映画祭として、明日の映像文化を担う若手映像作家、監督たちの世界へつながるゲートウェイを創出しています。

プロフール

1965年静岡県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。90年、日米合作映画「クライシス2050」でハリウッドデビュー。米国映画俳優組合(SAG)会員となる。以降、映画・TV・舞台等で幅広く活躍中。本年4月、「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」などのミュージカル出演の功績により、第1回岩谷時子奨励賞授賞。99年より、日本発の国際短篇映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル」を主宰。本年より、内閣官房知的財産戦略本部コンテンツ強化専門調査会委員に就任。2009年より、「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(月曜~木曜 6:00~9:00)のナビゲーターを務める。