森ビル株式会社

「人間好き」の別所哲也さんが見つけた都市を楽しむ術(第3回)

2010年05月14日

今月のゲスト:俳優 別所哲也さん

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俳優としての活躍に留まらず、ラジオのナビゲーター、国際短編映画祭の主宰など、多岐に渡って活動を続ける別所哲也さん。その原動力は、自分自身の「寂しがり屋」な性格にあると言います。別所さんが教えてくれた、都市での生活を楽しむ術からは「人と人との繋がりから生まれるもの」を大切にする彼の姿勢が垣間見えました。

第3回 人と人とを繋ぐ回路が張り巡らされる都市
シャイな国際都市からの変化に期待している

東京は、とてもハイテクな場所と、昭和をそのまま真空パックしたような昔ながらの日本を感じられる場所とが混在している都市で、これからますますフュージョンしていくのではないでしょうか。これまでに色々な国際都市を見てきましたが、やはり都市は、人間が生活することで育っていくものなんだと感じています。
東京はまだ少し、シャイな国際都市という印象がありますね。もっと、世界にアピールしてもいいと思います。既に、変わって行く街の表情を受け入れられるような器を備えている都市だと思うので、これからの東京の変化に期待しています。

東京では自分を閉ざしていたくない

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東京ではそれぞれの地域に思い出があるので、好きな場所は1つに絞れないですね。大学入学のために静岡から上京してきた時には、渋谷の街に出て「これが東京か!」と実感しました。それが「東京の風景」の原体験。
最近は、ビルとビルの間にひっそりと佇む神社を見つけると「この神社は昔からずっとこの場所で、東京の風景を見つめてきたんだな」と、その空間に流れる時間の長さを感じてドキッとします。横にかわいらしいカフェがあるとつい立ち寄ってしまうのは、僕が東京の、時間を超えて色々なものが混在している部分が気に入っているということかもしれません。
あと、ものすごく孤独を感じる都市でもあると思うんです。でも実は、人と人とを繋ぐ回路がたくさん張り巡らされていて、自分から進んで入って行った方が楽しく過ごすことができる。だからいつも、自分を閉ざさないようにしています。

プロフール

1965年静岡県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。90年、日米合作映画「クライシス2050」でハリウッドデビュー。米国映画俳優組合(SAG)会員となる。以降、映画・TV・舞台等で幅広く活躍中。本年4月、「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」などのミュージカル出演の功績により、第1回岩谷時子奨励賞授賞。99年より、日本発の国際短篇映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル」を主宰。本年より、内閣官房知的財産戦略本部コンテンツ強化専門調査会委員に就任。2009年より、「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(月曜~木曜 6:00~9:00)のナビゲーターを務める。