森ビル株式会社

大好きな自然とほっとする東京(第5回)

2010年01月29日

今月のゲスト:モデル KIKIさん

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「モデル」という肩書きにとらわれず、女優としての活動や、テレビやラジオのナビゲーター、執筆活動など、幅広く活躍しているKIKIさん。最近は、四季を感じることのできる自然のなかでの活動に夢中だと言う。住まいも、生まれ育った東京から少し離れた場所に移し、自然と触れ合う生活を楽しんでいるそうだ。「人に伝えること」が自分の仕事だと話すKIKIさんは、都市と自然を行き来する中で何を吸収し、何を伝えようとしているのか。2010年3月に初めての写真展を控えたKIKIさんに、話を伺った。

第5回 六本木ヒルズが、訪れる人を飽きさせない理由

六本木ヒルズは、仕事で行く場所でもあるし、プライベートで映画を見たり、ちょっとごはんを食べたり、本当によく行く機会があります。
「何度行っても飽きないなあ」と私は思っているんですが、正直、何度行っても迷うんですね。仕事が終わって、ごはん食べに行こうって歩きだしても、簡単にはたどり着かない。そういう意味で、ビルなんだけれど1つの街のように、常に生きているような感覚があります。「迷うようじゃないと、すぐに飽きてしまう」という誰かの話を聞いたことがあるのですが、そういうことなのかもしれません。今は頻繁に行くし、当たり前の存在になっているのですが、ちょっと離れてみて愛着がわく「大切なところだったな」と気付くような、そういう雰囲気があります。

不案内なところを大切にしてほしい

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六本木ヒルズ

東京は、道路も入り組んでいたり、道も他の都市と違って碁盤の目でできていないところが多くて、地図や番地も複雑な、意外と不案内なところが元から持っている東京の良さだと思うんです。
それは多分、東京の街の歴史が色々関係してくると思うのですけれど、私はそのわかりづらいところを大切に残していってほしい。より簡潔にわかりやすくものを作っていけば便利なのかもしれないけれど、便利って人の思考を鈍らせるところがある、楽しみを見つけられなくなっていく気がするんです。人も、街も、より楽にしていこうという方向に持っていってほしくはないな。

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プロフール

1978年東京都生まれ。武蔵野美術大学建築学科在学中からモデルとして活動を始め、雑誌、テレビCM、またテレビやラジオなどのナビゲーターとしても活躍中。2004年「ヴィタール」(塚本晋也監督)で女優としての活動をスタートし、2009年にはMBS系連続ドラマ「漂流ネットカフェ」で主演を果たした。2009年夏期 日本テレビ系連続ドラマ『華麗なるスパイ』、2009年10月公開映画『パンドラの箱』(冨永昌敬監督)に出演。写真や執筆などの文筆業でも才能を発揮し、雑誌の連載も多数。著書に『LOVE ARCHITECTURE』(TOTO出版)がある。