森ビル株式会社

「日本発世界ブランド」が東京を美しくする(第4回)

2009年12月25日

今月のゲスト:サマンサタバサ 代表取締役社長 寺田和正さん

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若い女性の圧倒的な支持を集めるファッションブランド、「サマンサタバサ」。代表取締役社長の寺田和正さんは「日本初世界ブランド」を目指し積極的に事業を展開、創業11年で東証マザーズに上場を果たした。ヒルトンホテル創業者一族のヒルトン姉妹、歌手のビヨンセなどのセレブを起用したプロモーションでも話題を集めている。寺田さんがクリエーションの源であると話し、社員のほとんどを女性が占める会社の連携の肝にもなっているのが、毎朝の朝礼にも象徴されるコミュニケーションだ。寺田さんが東京でコミュニケーションを積み重ね、見えてきたのはどのようなことだろうか。

第4回 「事」の中心、東京でのコミュニケーションが生むこと

サマンサタバサニューヨーク六本木ヒルズ店は、東京ど真ん中。いわゆる日本の中心である東京という意味合い以上に、あそこには本当にいろいろなものがあるんですよね。例えば百貨店では、「物」を買うために人は集まっていくんですけれど、六本木ヒルズというのは「物」だけじゃなくて、「コト」にも集まっている。例えば仕事という「コト」であったり、旅行という「コト」であったりとか、そういうものが世界を巻き込んで集まっている、東京のシンボルのような気がしますね。
サマンサタバサのお客様には海外のセレブの人たちもいるんですけれど、「サマンサ見たよ」というときには、断然、六本木ヒルズ店のことを言っていることが多いです。それだけ、海外の人が東京に来たときには六本木ヒルズに立ち寄っているということなんですよね。

クリエーションの源は、コミュニケーションである

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六本木ヒルズ サマンサタバサニューヨーク

僕は広島の福山の生まれなので、どうしても故郷と東京を比べてしまうんです。お酒を飲むにしても、広島で飲むお酒と東京で飲むお酒というのは違うんですよね。刺激的で緊張感があるからかもしれませんが、どうも酔い方が違うというか、東京で飲むと気取った酔い方になるんですよ。
人と会って食事をしているときも、自分の会社のことというのは頭のどこかにあるので、仕事とプライベートはあまり分けていないですね。新しい変化を生むためにはいろいろなクリエーションが必要で、コミュニケーションというのがその最大の源だと考えているので、いろいろな人と会って話を聞くことは欠かせません。
ただ、サマンサタバサはファッションのブランドですから、同じ業界のバッグやジュエリーの人と付き合いが多いかというと僕の場合はほぼゼロなんですね。IT関連の人や、車を扱っている会社の人だとか、全然業界の違う人たちと話をすることによっても、クリエーションは生まれてくると思っています。

プロフール

1965年広島県生まれ。大学3年の時にカナダに留学し、革ジャンのイージーオーダービジネスを始める。大学卒業後、野村貿易に就職。1991年、独立して海外ブランドの輸入卸で起業。1994年、SPA(製造小売業)に転換し、サマンサタバサジャパンリミテッド設立。東京・渋谷のパルコに、代表ブランド「サマンサタバサ」1号店オープン。2005年12月、東証マザーズ上場。2006年、オンラインショップの運営ほかネットビジネスを手がけるWW by Samantha Thavasa設立。現在、バッグ8ブランド、ジュエリー2ブランド、小物1ブランドを擁し、全国に直営117店舗を展開している。