森ビル株式会社

音楽を、東京を、越境するプロデューサーとして(第2回)

2009年12月11日

今月のゲスト:プロデューサー 小林武史さん

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自らを「越境するプロデューサー」と称する小林武史さん。「Mr.Children」「レミオロメン」をはじめとした音楽プロデュースにとどまらず、「ap bank」を立ち上げ「ap bank fes」を開催、そして環境と消費を考える場として立ち上げた「kurkku project」では、2009年表参道ヒルズに「kurkku3」をオープンさせた。そして小林さんは2010年1月公開の映画『BANDAGE バンデイジ』で、映画監督デビューする。音楽、食、映画と、様々な枠組みを越境していく小林さんのアイディアはどこから生まれてくるのだろうか。

第2回 小林さんのこだわりがつまった「そば」

「kurkku 3」をオープンすることになって、一番最初に思ったのは、そこに来る人たちを本当にマスととらえて、1つの顔だけではなくて、お客様たちとそれぞれの時間帯ごとの相性のよさを追求していくということだったんですよね。
まず、お昼のメニューで考えているのは“そば”なんです。“そば”って、体にいい食品ですから。それと野菜を使った、本当にヘルシーで気軽な“そば”。そして、かなり研究を重ねたのが、どういうつゆをつけるとおいしくなるんだろうかということですね。「kurkku kitchen」のシェフはフレンチで勉強をしてきた人たちなので、普通の鰹節系の和のものだけじゃない味のつゆを、かなり研究を重ねました。そして、今、思い出しても、僕の脳は唾液をバーっと生むくらい、すごいおいしいつゆができたんですよ。試食したんですけれど、本当においしいんです。

「蕎麦」ではなく「soba」である理由

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「kurkku 3」の“Soba”

うちのメニューにあるそばは、これまでの型にはまっているものではないから、日本の漢字を使った「蕎麦」というのではないなとは思っているんです。それでメニューもローマ字の“Soba”になっているんだけれど。
そば歴何十年というところで作っているようなイメージのおそばを食べたい人はおそば屋さんに行ってもらえばいいんですけれど、うちのはそうじゃない。そこに期待してもらって、ちゃんと応えていけるものがあるというのが、「kurkku 3」の一番最初のフックというか、パンチのあるところなんだとは思っていますね。
僕にとっては、そばって何かすごい生命力を感じるものなんですね。

プロフール

1959年生まれ。音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。1991年OORONG-SHA設立。アーティストのマネジメント、レコーディング及びライブステージのプロデュースを行う。映画「スワロウテイル」(1996)をはじめ、映画音楽も多数手がける。2003年には櫻井和寿と「ap bank」を立ち上げ、環境NPOに対する融資のほか、初の環境野外フェス“ap bank fes”を開催。2005年に“kurkku(クルック)”を神宮前に立ち上げた。2008年には、映画音楽を中心に・ライブ・報道番組・環境ドキュメタリーのテーマ曲を自らが厳選し収録した「WORKS」シリーズ第1弾を発売。