森ビル株式会社

「日本発世界ブランド」が東京を美しくする(第2回)

2009年12月11日

今月のゲスト:サマンサタバサ 代表取締役社長 寺田和正さん

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若い女性の圧倒的な支持を集めるファッションブランド、「サマンサタバサ」。代表取締役社長の寺田和正さんは「日本初世界ブランド」を目指し積極的に事業を展開、創業11年で東証マザーズに上場を果たした。ヒルトンホテル創業者一族のヒルトン姉妹、歌手のビヨンセなどのセレブを起用したプロモーションでも話題を集めている。寺田さんがクリエーションの源であると話し、社員のほとんどを女性が占める会社の連携の肝にもなっているのが、毎朝の朝礼にも象徴されるコミュニケーションだ。寺田さんが東京でコミュニケーションを積み重ね、見えてきたのはどのようなことだろうか。

第2回 「日本初世界ブランド」を目指して歴史を重ねる

サマンサタバサは「日本初世界ブランドへ」という目標を掲げる中で「変わっていく」ということを1つのテーマとしています。日本のマーケット自体は成熟してきたとはいえ、まだでき上がって十数年という僕らのブランドが、100年、200年の歴史を持つ相手に立ち向かっていくためには、歴史を重ねていかなければいけないんです。
ヨーロッパにあるような100年の歴史を持つブランドというのは、100年間こだわり続けている何かを1つ持っているのですけれど、実はその間、ものすごく変わっているんですね。その都度、いろいろな人たちを驚かせながら変わってきたので、100年があるということだと思うんです。
僕らサマンサタバサも100年先輩の人たちに追いついていくためには、それ以上のスピードで変化をしていかないと飽きられてしまう、歴史を重ねられないという危機感をすごく持っています。歴史を重ねていく上では、とにかく変化をしていくということが大事なのではないでしょうか。

「日本発世界」が普通になる、その先陣を切りたい

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例えば、10歳と30歳って大人と子どもじゃないですか。50歳と70歳も違いがあると思うんだけれども、80歳と100歳はあまり変わらない気がしませんか。それくらい、日本のファッションというのは欧米に負けないくらい成熟してきました。そういう意味では、今もう肩を並べつつある時代にきていると僕は思っています。
そろそろ「日本発世界」というのが普通になってくるというかね。それをしっかり日本の人たちにも感じてもらえるように、サマンサタバサが先陣を切っていきたいなという思いでやっています。

プロフール

1965年広島県生まれ。大学3年の時にカナダに留学し、革ジャンのイージーオーダービジネスを始める。大学卒業後、野村貿易に就職。1991年、独立して海外ブランドの輸入卸で起業。1994年、SPA(製造小売業)に転換し、サマンサタバサジャパンリミテッド設立。東京・渋谷のパルコに、代表ブランド「サマンサタバサ」1号店オープン。2005年12月、東証マザーズ上場。2006年、オンラインショップの運営ほかネットビジネスを手がけるWW by Samantha Thavasa設立。現在、バッグ8ブランド、ジュエリー2ブランド、小物1ブランドを擁し、全国に直営117店舗を展開している。