森ビル株式会社

音楽を、東京を、越境するプロデューサーとして(第1回)

2009年12月04日

今月のゲスト:プロデューサー 小林武史さん

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自らを「越境するプロデューサー」と称する小林武史さん。「Mr.Children」「レミオロメン」をはじめとした音楽プロデュースにとどまらず、「ap bank」を立ち上げ「ap bank fes」を開催、そして環境と消費を考える場として立ち上げた「kurkku project」では、2009年表参道ヒルズに「kurkku3」をオープンさせた。そして小林さんは2010年1月公開の映画『BANDAGE バンデイジ』で、映画監督デビューする。音楽、食、映画と、様々な枠組みを越境していく小林さんのアイディアはどこから生まれてくるのだろうか。

第1回 表参道ヒルズに「kurkku 3」オープン

表参道ヒルズに「kurkku 3」というお店がオープンしました。僕が5年前に立ち上げた「kurkku」の三番目の店舗ということになります。これまでにオープンした神宮前のカフェ「kurkku kitchen」と「mother kurkku」の二店舗がありますが、その両方とは全く違うコンセプトのを作ろうと思ったんです。
東京の中でも、日本のひとつの顔である表参道の路面店ということですから、新しい展開やコラボレーションを作っていきたいなと考えているんですよね。ですから、今回は、僕がプロデューサーとして立っているだけではなくて、いろいろな人を集めて連合チームを組んで取り組んでいます。

表参道のカフェに自分たちの足もとの問題、農業を絡ませる

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表参道ヒルズにオープンした「kurkku 3」

「kurkku 3」は表参道沿いの路面店になるので、いわゆるカフェ的な、どんな時間でもとにかくいつでもオンになっている状態のお店でなければいけないだろうなと考えました。ただヨーロッパ、ニューヨークなどの、いろいろなところのいわゆるカフェというものをそのまま持ってくるという感じではなくて、僕らとしては、もう少し自分たちの足元とコラボレーションしていけるようなことはないだろうかと思ったんですね。
僕がやっている「ap bank」で、自分たちの足元の食の問題として、農業を取り上げているところなので、表参道という華やかなところに、例えば、農業というものを組み合わせるのはどうだろうかと。押しつけるようなことではなくて、絡ませていくみたいなことをどうしたらできるかすごく考えましたね。自分たちの足元や、人にとっては等身大のような部分を表参道で感じてもらえるというカフェになっています。

プロフール

1959年生まれ。音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。1991年OORONG-SHA設立。アーティストのマネジメント、レコーディング及びライブステージのプロデュースを行う。映画「スワロウテイル」(1996)をはじめ、映画音楽も多数手がける。2003年には櫻井和寿と「ap bank」を立ち上げ、環境NPOに対する融資のほか、初の環境野外フェス“ap bank fes”を開催。2005年に“kurkku(クルック)”を神宮前に立ち上げた。2008年には、映画音楽を中心に・ライブ・報道番組・環境ドキュメタリーのテーマ曲を自らが厳選し収録した「WORKS」シリーズ第1弾を発売。