森ビル株式会社

母親になり、あらためて知ったクラシック音楽の素晴らしさ(第4回)

2009年11月20日

今月のゲスト:ヴァイオリニスト 高嶋ちさ子さん

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ヴァイオリニストであり、二児の母でもある高嶋ちさ子さん。子育てとヴァイオリンを両立させながら、フジテレビの軽部真一アナウンサーとの共同プロデュー スの「めざましクラシックス」、親子のための「バギーコンサート」「高嶋ちさ子 12人のヴァイオリニスト」など、“クラシックをもっと身近に”をテー マにした年間100本以上のコンサートを全国各地で開催している。常にコンサートの企画を考えているという高嶋さんが私生活で今一番楽しんでいるのは、公 園に子供と遊びに行くこと。出産を機に心境に変化があったという高嶋さんにお話を伺った。

第4回 子供と暮らす都市での楽しみ方とルール

子供が生まれてから、六本木ヒルズには週に2回から3回ぐらい行っていますね。六本木ヒルズって、すごく緑が多くて公園があったりして、子供連れで行けるレストランや子供服のお店、玩具屋さんもあるので、親子で行って楽しんでいます。
六本木という場所は、大人が多く住む街ですし、大人が働いている場所なので、その辺は重々承知して謙虚な気持ちで、大人の皆さんの邪魔をしないように遊ぶようにはしています。自分が六本木ヒルズに仕事で来たときに、子供がガーッと騒いでいたりすると「コラッ」と思っていたことが記憶にあるんです。だから自分が子供を連れて六本木ヒルズに行くようになった今でも、きちっとしたスーツを着たOLさんや最先端のお仕事をしている方たちに対して、「子供と混在しちゃって申し訳ないな」と思うようなときがあるんですよね。だから、なるべく公園に行こうとか、お昼の時間帯は外そうとか、結構考えるんですよ。一緒に行くママ同士でも、我々はもう自由だからお昼もピークを外して「1時以降に行こうね」とか、その辺はけじめをつけようという話をしています。

東京でのコンサートで感じてきたこと

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六本木ヒルズ 毛利庭園

色々な都市でコンサートをやっていますから、「どこに行っても同じ気持ちで演奏しています」と言いたいところですが、やっぱり大阪とか、東京とか、名古屋という大きな都市になると、自分の中で何か違うものがありますね。
特に東京でやる場合には、耳の洗練されたお客様が来ているから、ちょっと演奏曲目も洗練されたものとかにしなければいけないんじゃないかとか、しゃべることも当たり前のクラシックのネタを言うのではなくて、もうちょっとひねったことを言わなければならないんじゃないかとか、色々と考えていたんです。
けれども最近は、東京の人たちというのは日本中様々なところから来ている人たちの集合体だから反応もいいし、好奇心旺盛な人たちの集まりなんだなということが、ようやくわかってきました。「東京だから、特別な何か」という風には、考えないようにしようというように思い始めています。

プロフール

6歳からヴァイオリンを始め、桐朋学園大学を経て、イェール大学音楽学部大学院修士課程アーティスト・ディプロマコースを卒業。
94年マイケル・ティルソン・トーマス率いるマイアミのオーケストラ、ニュー・ワールド・シンフォニーに入団。97年からは本拠地を日本に移し、全国各地で数多くの観客を集め新たなクラシックファンを獲得している。06年には、新プロジェクト「高嶋ちさ子 12人のヴァイオリニスト」を立ち上げ、多いに注目を集める。08年は5月に新イタリア合奏団とのツアー、12月にはベルリン・フィル・ヴァイオリンアンサンブルとのツアーを全国で展開した。
現在、演奏活動を中心としながらも、コンサートプロデュース、テレビ・ラジオ番組、執筆活動等、活動の場は更に拡がりを見せている。