森ビル株式会社

街角で人と人が出会って、都市はもっと面白くなる(第2回)

2009年10月09日

今月のゲスト:放送作家 小山薫堂さん

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放送作家という肩書きを超えて様々なフィールドで活躍し、自身の職業をサービス業だと話す小山薫堂さん。人を喜ばせるために、感動させるために、これから計画していることについて話を伺った。
その一つが、旗振り役を務める「マルシェ・ジャポン」。プロジェクトの一環として、アークヒルズ内にて毎週土曜日に行われる「ヒルズマルシェ」もスタート した。都市にマルシェを作るこの運動は、生産者と消費者が出会うコミュニケーションの場として機能し、都市の活性化につながると小山さんは言う。これから マルシェを使って目指す都市のビジョンとはどのようなものだろうか。

第2回 人をどう感動させるか、企画とはそのためのサービスである

自己紹介をするときは「放送作家です」と言っているのですが、実は放送作家の仕事の比重は少なくなっています。ただ違う肩書きを言った途端に「昔は放送作家だったのに、何か偉くなったもんだな」とか言われるのが嫌なので、そのままにしていますが、実際には、自分がやっていることは「サービス業」だと思っています。
人にどう喜んでもらえるか、人をどう感動させるか、それをやることがサービスであり、自分がやっている仕事だと。つまりサービスとは企画であると、いつも考えているのです。

自分へのご褒美として、脚本を書いています

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HILLS CAST収録風景

最近はプロジェクトを抱えすぎていまして、頭の中でちょっともつれているようなところもあったりするんですけれど、とりあえず目先の締め切りをこなしていくという感じで仕事はしています。
ただ、その中に常に3つぐらい、やりたくてやりたくてしょうがなくて、早く書きたいと思う、映画や舞台の脚本がいくつかあるので「そこに早くたどり着くために、ほかの仕事を終わらせよう。そしてその後、ご褒美のようにそれを書ける」という、そういう気分ですね。
でも僕、生活は不規則じゃないんですよ。意外と早寝早起きなんですね。普通の日は朝の5時半ぐらいに目が覚めまして、まだ誰もその日の街の様子を知らないときに、街を歩く。「うわあ、こんなに気持ちいいのにみんな知らないなんて何か俺得したな」という、優越感を朝の散歩で感じていますね。「ウサギとカメ」という童話でも、ウサギが寝ている間に亀が抜いて行くじゃないですか。そういう気分ですね。

プロフール

1964年熊本県生まれ。放送作家。N35 Inc.代表、株式会社オレンジ・アンド・パートナーズ代表。金谷ホテル顧問。日本大学芸術学部放送学科卒業。「カノッサの屈辱」「料理の鉄人」など話題作を多く企画し、現在「THE世界遺産」(TBS)、「スペシャルギフト」(日本テレビ)他に携わる。初の映画脚本に挑戦した『おくりびと』で、第81回アカデミー賞の外国語映画部門賞受賞。コラムや小説の執筆、ラジオパーソナリティ、企業のプランニングなど、幅広いフィールドで活躍。著書に「随筆 一食入魂」(ぴあ)、「考えないヒント」(幻冬舎)、日本語訳を担当したフランス絵本「まってる。」(千倉書房)など。12/12公開予定の映画原作本「スノープリンス 禁じられた恋のメロディ」(角川つばさ文庫)が発売中。