森ビル株式会社

都市型映画祭開催で見える、東京のキャラクター(第1回)

2009年10月02日

今月のゲスト:東京国際映画祭 チェアマン 依田 巽さん

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東京国際映画祭のチェアマンに依田巽さんが就任されてから2年。10月17日〜25日まで六本木ヒルズで行われる今年の映画祭は、テーマに「エコロジー」を掲げ、グリーンカーペットの他、様々な新しい試みも行われる。長年、音楽業界に携わり、日本のコンテンツ産業を支えてきた依田さんは、世界のなかの日本をどう見ているのだろうか。テーマに「エコロジー」を掲げたことや、東京国際映画祭が六本木で行われることにも、そのヒントが隠されていた。

第1回 チェアマンを務める東京国際映画祭が開催

東京国際映画祭(10月17日〜25日までの9日間、六本木ヒルズにて開催)のチェアマン、依田巽でございます。
まず、映画祭の4つのコンセプト、基本理念ですけれども、「リンケージ(連携)」「ハイクオリティ(高品質)」、オポチュニティつまり「チャンス」ですね、ビジネスチャンスも含めて。そして、「イノベーティブ」ということで、何か新しいものを追い求めるという、この4つのポイントを理念に掲げております。
東京国際映画祭は著名な海外の映画祭と違うところがあります。それは、六本木という都心の真ん中で行われるということですね。対して、カンヌ、ベネチア、釜山やロスなど、海外の映画祭はみんなリゾート地、あるいは海沿いで行われるケースが多いということが、最大の違いです。したがって、東京の六本木で行われる東京国際映画祭では、東京の大都市らしさを存分に楽しむこともできますし、映画館も、ホテルも、おいしい食事のできるレストランも、商談の場所も、すべて1カ所に集まっている、都市型の国際映画祭であります。

東京国際映画祭チェアマン就任2年目を迎えて

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東京国際映画祭(六本木ヒルズにて開催)
© 2008 TIFF

私も、長く音楽ビジネスに携わってきましたけれど、総合芸術であり、歴史、文化、宗教、人種を超えて、様々な要素を複合的に表現できるのが映画です。そういう意味での映画というものの魅力、それは本当に昔から感じていました。
東京国際映画祭のチェアマンに就任して2年目ですけれど、非常に多忙ですがとても充実した仕事だと思っています。映画は何でも見ますけれど、どちらかといえば映画らしい、アート系の映画が好きですね。
もちろん、大作も好きですが、これはメジャースタジオが資金力を投下して、全世界62億人に向けて作る映画ですから、面白くないはずがない。でも、商業性をちょっと置いておいた、「これぞ、まさしく文芸作品」というような映画、私たちが普段絶対体験できないようなドキュメンタリーも含め、そういう映画が大好きです。

プロフール

1940年長野県生まれ。明治大学経営学部卒業。69年山水電気(株) 入社。88年3月(株) トーマス・ヨダ・リミテッド(現・ティー ワイ リミテッド)設立。 同年8月現・エイベックス・グループ・ホールディングス(株) 顧問就任。同社代表取締役会長兼社長就任(2004年8月退任)。04年12月よりギャガ・コミュニケーションズ(現・ギャガ(株))代表取締役会長を務め、09年7月には同社代表取締役会長兼社長CEO就任。現在 (株)ティー ワイ リミテッド代表取締役会長、(株)ドリーミュージック代表取締役会長、(株)ティー ワイ エンタテインメント代表取締役会長ほか、ティ・ジョイ取締役、楽天取締役なども務める。2008年3月東京国際映画祭(TIFF&TIFFCOM)チェアマン就任。