森ビル株式会社

無心で頑張ることが夢を叶える(第3回)

2009年09月18日

今月のゲスト:歌手 堀内孝雄さん

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28年ぶりに全国規模のツアーをスタートし、再始動した「アリス」。堀内孝雄さんは再始動について、60代になるということがメンバーの背中を押したと 語った。若いころの苦労があったからこそ、歌手になるという夢を叶えられたという堀内さん。「アリス」としてデビューしてから40年近くたった今、熱く語 る若い世代への厳しい言葉のなかには、堀内さんの優しさが溢れていた。

第3回 「アリス」再始動ツアーの真っ最中で

ちょうど、今「アリス」のツアーの真っ最中で、ラジオをお聞きの方は、「ああ、ちょっと疲れているかな」なんて思われているかもしれない(笑)。負けねぇぞ。メンバーみんな60代になったんですよ。たまたま50代は何とか生き延びて、やっとこさ、未開の60代に入るという…。
区切りなんて必要ないんだよということも物事にはあるんですが、何かをスタートさせたりだとか、ここでそれぞれちょっと小休止して、何かをもう1回考えるときでもあるというか。60歳になるというのは再始動のひとつのきっかけでしたね。70歳のアリスも連想したんですよ。でも、やっぱりかなりの老朽化は逃れられないだろうなというのが、実感としてもあるじゃないですか。今も感じているわけですから。60代だと何とか、「くすぶる炎が、火がまだ残っているうちに、みんな集まろうよ」という感じで、ちょうど60歳になるというのが背中を押してくれた、逆にそんな感じがしますよね。

60代になった今だからこそできること

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HILLS CAST収録風景

確かに、体だけと言わず、いろいろな部分が年老いていますよね。だから考え方もそれに応じて、別に丸くなったというわけじゃないんですけれど、おのおのが人の話をうまく自分の中に、うまく消化できるようになっていますよ。
若いときって、やっぱりとげとげしいんですよね。なんでも直線的に受け止めてしまって。何か気まずい空気が流れたりとか、いろいろなことがあるんですけれど、もうそんな年でもないですし。やっとみんな、それぞれがいろいろなことを素直に受け入れられるというか。昔「嫌だな」と思っていたことも、自分のことも含めてですけれどね、何か許しあえるというか。年齢ってすごいなと思いますね。満更人生は捨てたもんじゃないと(笑)、僕は感じますね。

プロフール

歌手/1949年、大阪生まれ。1971年に谷村新司、矢沢透と「アリス」を結成。デビュー曲「走っておいで恋人よ」を発表。10年間に渡る活動の中で谷村新司とのツインヴォーカルを聞かせ、作曲家としても活躍した。1975年には平行してソロ活動を開始し、1978年「君のひとみは10000ボルト」、 1980年「南回帰線」とそれぞれ大ヒット。1981年に活動を休止していた「アリス」だが、2009年7月のツアーを皮切りに再始動した。