森ビル株式会社

無心で頑張ることが夢を叶える(第1回)

2009年09月04日

今月のゲスト:歌手 堀内孝雄さん

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28年ぶりに全国規模のツアーをスタートし、再始動した「アリス」。堀内孝雄さんは再始動について、60代になるということがメンバーの背中を押したと語った。若いころの苦労があったからこそ、歌手になるという夢を叶えられたという堀内さん。「アリス」としてデビューしてから40年近くたった今、熱く語る若い世代への厳しい言葉のなかには、堀内さんの優しさが溢れていた。

第1回 青春時代に出会った永遠の友

去年僕のソロで『オールド・フレンズ』というアルバムを作ったんです。僕はこれまで本当にいろいろな人にお世話になったんですよ。そして、その人たちの曲をカバーしたりしていて、河島英五の曲もカバーしようということで『時代おくれ』だったり、その辺を歌ったんですよね。
そういうことをしているなかで、オリジナルがないなということに気がついて、自分の中で何か節に当たるものをやってみたいと思ったんです。カバーもいいけれど、もっと今を大事にして、「まだ変わらず頑張っている」というには、やっぱりオリジナルだなということになりまして。
そこで、「河島英五、困ったな…」と。だって本人がいないんですよね、2001年に旅立ちましたから。それで、奥様に電話をして「彼が生前書き残した、こじんまりとでも走り書きでもいいですから、僕が歌えそうな何かないですかね」ということをお願いしたら、『流れ星』というのと『大事な人』というのがあって、今回『大事な人』をシングルにさせていただいたんです。

青春時代に何かを無心でやることの大切さを知った

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HILLS CAST収録風景

『大事な人』は、不器用な男の子をいつも支えているというような、さりげない女の子の歌なんですけれどね。その不器用な彼は多分、河島英五でしょうね。
僕と英五はアマチュア時代に出会っているんですよ。そういう先の見えない荒削りな青春時代に会った人たちというのは、やっぱり永遠の友ですよね。英五も、それから谷村新司も矢沢透も、やっぱりみんなそうですよ。うちの社長もそうかもしれない。みんな本当にボロボロだった時代に、会社をやり始めたりね。借金なんかも抱えたりいろいろしましたけれど、何か武勇伝みたいなものは、あのときでないとできなかった。
だから、このラジオをお聞きの皆さんも、やっぱり頑張るときは、人が何と言おうとやり遂げないと。たとえ、それが間違いであっても、あとで「やりすぎだよ、それは」って言われても、それはそれなりの評価があるんですよ。何もやらなかったというよりも、やっぱり何かを遮二無二やるという、無心というのはすごい力ですね。

プロフール

歌手/1949年、大阪生まれ。1971年に谷村新司、矢沢透と「アリス」を結成。デビュー曲「走っておいで恋人よ」を発表。10年間に渡る活動の中で谷村新司とのツインヴォーカルを聞かせ、作曲家としても活躍した。1975年には平行してソロ活動を開始し、1978年「君のひとみは10000ボルト」、1980年「南回帰線」とそれぞれ大ヒット。1981年に活動を休止していた「アリス」だが、2009年7月のツアーを皮切りに再始動した。