HILLS CAST
“東京をおもしろくするアイデア”を持ったゲストをお迎えしてお届けする「HILLS CAST」は、J-WAVEのラジオ番組「森ビル presents 東京コンシェルジュ」内で放送していた森ビルのラジオCMです。
※掲載内容は、取材・放送時点のものです。
「メイド・イン・カッシーナ」展を東京で開催する理由
2009年04月17日
今月のゲスト:株式会社カッシーナ・イクスシー代表取締役 高橋克典さん

創業から80年もの間、真摯に物づくりに向き合ってきたモダン・ファニチャー・ブランド『カッシーナ』。ミラノ・トリエンナーレで行われた回顧展の世界ツアー第一弾が、森アーツセンターギャラリーにて開催される。カッシーナ・イクスシー代表の高橋克典さんが、カッシーナの物づくりの精神を語った。
六本木ヒルズで開催しようと決めた理由
株式会社カッシーナ・イクスシー代表取締役、高橋克典です。
カッシーナは1927年、ミラノ郊外のメダというところで設立されました。したがって、2007年がちょうど80周年だったのですが、その80周年を記念して2008年、ミラノ・トリエンナーレで大規模な回顧展を催しました。世界ツアーの第一陣が東京ということになります。
六本木ヒルズで開催しようと決めた理由のひとつとして、私はここに多様性があると思っているからです。例えば外国の企業がたくさん入っていますし、また観光客、そしてそこに住んでいる人、それから遊びに来る人、デートしに来る人、本当に多種多様な人たちが集まる場所で、私から見ると1つの広場のように見えるんです。
このような、みんなが集う場所で、家具という道具とその歴史、そしてデザインを、皆さんにご覧いただくということは非常に意味があると思っています。
見ていただきたいのは、作品が作られるまでの過程

© Cesare Chimenti
今回は六本木ヒルズ森タワー52階にある森アーツセンターギャラリーの約1,000m²の場所をお借りして、約100の作品を展示します。
これは歴史的に名だたる30名のデザイナー、あるいは建築家がデザインしたものなのですが、今回の展覧会の特色は、単なる製品だけではなく、試作品、いわゆるプロトタイプを展示して、デザイナーがどういう苦労をして、その作品を作ったのか、モデルを作ったのかをお見せします。そして、現在でも売られているそれら作品が、どういう使われ方をしているのかもご覧いただけます。
モダンファニチャーというのは非常に自由なものですから、例えば和室に置いていただいても合います。そういったモダンファニチャーの多様性と柔軟性を見ていただけたら非常にうれしいです。
リーディング・カンパニーであり続ける秘訣

© Cassina S.p.A.
カッシーナはミラノ、パリ、ニューヨークにそれぞれショールームを構えております。
カッシーナブランドの強さというのは、ブランドのネームとかロゴではなくて、やはり物にあると思います。カッシーナは工場から出発していますので、常に高品質、あるいは長持ちする丈夫な家具をつくり続けていることによって、ブランドの信頼が得られたのだと思います。
座って試してみていただいて、「あっ、あれがカッシーナだったんだ」というふうに後から名前がわかるぐらい、ものづくりの会社であると考えております。
カッシーナは設立以来、常に革新的な家具をつくり続けています。1つの例を言いますと、1920年代から30年代に、ル・コルビュジエという人がたくさんの建築物あるいは家具をデザインし、当時としては非常に斬新なデザインを作り出しました。そして2009年においても、常に進化し続けているのです。
ですから、60年70年モデルチェンジしない家具もありますが、常に新しい家具も作り続けている、こういった「立ち止まらない」という姿勢が、カッシーナがリーディングカンパニーでいられるという秘訣のひとつだと思います。
【開催概要】
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
会期:2009年4月24日(金)〜6月7日(日)※会期中無休
月〜水・日・祝日 10:00〜20:00/木・金・土・祝前日、4/29〜5/6 10:00〜21:00
主催:株式会社カッシーナ・イクスシー/Cassina S.p.A
プロフール
株式会社カッシーナ・イクスシー代表取締役/1957年東京生まれ。大学卒業後、株式会社ハナエ・モリに入社。その後、株式会社シャルル・ジョルダン取締役社長などを経て、2007年3月に現職に就任。2009年4月には『カッシーナ・スタイル(ダイアモンド社)』を出版。