HILLS CAST
“東京をおもしろくするアイデア”を持ったゲストをお迎えしてお届けする「HILLS CAST」は、J-WAVEのラジオ番組「森ビル presents 東京コンシェルジュ」内で放送していた森ビルのラジオCMです。
※掲載内容は、取材・放送時点のものです。
表参道から生まれる、クリエイティブのアイディア
2008年12月22日
今月のゲスト:クリエイティブディレクター 箭内道彦さん

日本を代表するクリエイティブディレクターとして、話題を呼ぶCMの数々を手掛ける箭内道彦さん。最近はTVの司会者やラジオのパーソナリティまでも務め、活動の幅を広げている。
この秋表参道ヒルズのイメージキャラクターとしてショーウィンドウに登場し、表参道の街を盛り上げている。異彩を放つクリエイターが込めた東京への想いとは。
相手の力を使うと、実力以上のことができちゃう

『風とロック』、箭内道彦です。
これはもう、お願いしますよ、これ、強力プッシュ態勢、そうなんです、『サラリーマン合気道ー「流されるから」遠くに行けるー』という本を、僕、人生初のビジネス書というのを出しました。やっぱり相手の力を使うと、実力以上のことができちゃうんですよね、人ってやっぱり。
編集なんかの仕事もまさにそうじゃないですか。その面白さを、ビジネスの世界にも応用できないかなと、何か出版社の人が思ったみたいですよ。
目の前にあらわれる人たちから、何かを受け取ってね、一緒にものを考えたり、逆にその人の考えに乗っかっていっちゃったり、そういうのって、いわゆる「流される」という行為で、流されたから表参道ヒルズの看板になったり、スタイルブックに出ましたよ。多分、僕が人生最初で最後のモデルだと思いますね、あれが。
何でもそうですね、流されて、流されて、NHKの司会者とかまでやっていますからね、全然下手くそなのに、不思議なものですね。
遠くに行って途方に暮れているときもあるんですよ、だから。
自分だけの表参道ヒルズを知りたい

表参道ヒルズの中をどう歩けばいいのか、もうちょっと知りたいなと思うんですよね。それはフロアマップとか、そういうことだけじゃなくて、なんかね、あそこの上手なめぐり方みたいなのを、みんな知らないんですよね。で、結局「全部を回っていないまま、自分は帰ってしまっているんじゃないかな」という不完全燃焼感が、あそこを出るときにあるんですよ、実は、何かね。
だから僕も、あそこ何度も行っているけれど、「すべてのお店の前を通った」って自信持って言えるかというと言えなくて。そこが何かこうアベニュー的というかね、表参道そのものなんだというよさもあるのですけれど、何かこう、ほら、「スコットとアムンゼンがどう南極点に到達したか」みたいなことじゃないですが、何とかルートみたいな、あそこに何かルートがつくといいんじゃないですかね。「ここ通って、こう行って、こう下りてきて、最後にミヤシタでオムライス食べる」でも、何でもいいんですけれど、それが何か本当にフロアマップ的だったり、雑誌的じゃない何か形で、自分だけの表参道ヒルズみたいなものがわかるといいですね。