森ビル株式会社

世界の子供たちとリズムを刻む理由(第4回)

2008年08月04日

今月のゲスト:ミュージシャン 渡辺貞夫さん

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世界中を飛び回り、世界中の人々に音楽の素晴らしさを伝えるミュージシャン渡辺貞夫。六本木という場所に居を構え、30年以上経つ、正真正銘の六本人である。彼の語る、音楽と都市、そして子供たち。六本木が音の聞こえる街になればと願いをこめて。

第4回 森社長との長い付き合い

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さまざまなイベントが催される 六本木ヒルズアリーナ

森ビルの森社長とは、もう長いお付き合いです。森さんも六本木ヒルズに住んでいますよね。僕も近所に住んでいますから、美術展なども必ず声をかけていただいています。
それから、お互いの知り合いが同じお友だちということも多く、例えばコンサートに行ったり、何かのイベントに行ったりするとよく会うんですよね。今朝も行ってきましたが、僕は東京にいる時は、犬を連れて散歩に出るんですよ。そうすると、その帰りにヒルズの中を通って帰ってきたりして、「やあ、やあ」という感じで森社長に出会ったりなんていうことも結構あるんです。
毎週土曜日の朝は朝市があるんですよね。ご近所の皆さんが野菜を買いに来ていて、そこに森さんの息子さんがいつも来てるのですが、犬の散歩をしながら挨拶をして帰ったりすることもよくありますね。プライベートでお食事をしたりということもありますが、あの方も忙しい方ですから、森さんとはプライベートに一緒に遊んだことはまだないんですよ。例えばゴルフをプレーするとかね。森さんの経営している宍戸ヒルズ、静ヒルズというゴルフ場がすばらしいというのでご一緒する話が出ていたのですが、なかなか実現していません。今年の夏あたりはぜひと思っているのですが。

人々が憩える広場をもっと東京に

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六本木ヒルズやアークヒルズで開催される 朝市「いばらき市」

六本木ヒルズのオープニングの時は、森さんの提案で、六本木ヒルズアリーナでコンサートをやりました。その他にもアフリカのアーティストを呼んで一緒にコンサートをやったりしましたね。そういった人々が憩える広場やスペースって東京都内に意外にないんですよね。
最近では熊本城の築城400年祭で、二の丸芝生広場といういいスペースがあったのでコンサートをやりました。熊本の子ども達と、栃木県で僕が教えているエスコーラ・ジャフロという子ども達、それに僕のグループと熊本の200人ぐらいの中高生と一緒にやったんですよ。そんなことが東京でもできればいいんですけどね。

聴衆の気持ちにタッチできるのは小さなクラブ

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小さなライブハウスでの演奏活動を精力的に行う

名古屋などは街中の公園でロックバンドがよく演奏しています。屋外で、電気的な音でギャーギャーいうのはまずいでしょう。街の中で音が聞こえてくるというのは非常にいいと思うのですが、「うるさい」といわれることが結構多くて。もちろん、コンサートホールで演奏するのはそれはそれでいいのですが、僕たちのやっている音楽は、客観的に聞いてもらうというよりも、お客さんの中に入っちゃいたいんですよね。だから、僕は小さいクラブで演奏するのが好きです。マイクロホンを使わないで、例えば100人200人ぐらいのクラブだったら、非常に身近に聴衆と接することができるじゃないですか。その方が気持ちにタッチできるという感じがあって、好きなんです。

プロフール

1933年、栃木県生まれ。高校卒業後、上京。アルトサックス・プレイヤーとして数多くのバンドのセッションを経て、1962年米国ボストンのバークリー音楽院に留学。
日本を代表するトップミュージシャンとしてジャズの枠に留まらない独自の音楽性で世界を舞台に活躍。写真家としての才能も認められ6冊の写真集を出版。2005年愛知万博では政府出展事業の総合監督を務め、音楽を通して世界平和のメッセージを提唱。