HILLS CAST
“東京をおもしろくするアイデア”を持ったゲストをお迎えしてお届けする「HILLS CAST」は、J-WAVEのラジオ番組「森ビル presents 東京コンシェルジュ」内で放送していた森ビルのラジオCMです。
※掲載内容は、取材・放送時点のものです。
東京のアートを、上海経由で世界へ(第2回)
2008年05月09日
今月のゲスト:アーティスト ヒロ杉山さん

広告、映像、音楽。ジャンルを超えて活動するヒロさんが、上海をテーマにした作品作りのために中国へ上陸。日本と中国のアートシーンの違い。上海の街を歩きながらで感じたこと。そして、その先にある可能性。いろいろお聞きしました。
第2回 格段によくなった日本のアート界

六本木ヒルズのグッズ
現状はですね、僕が20年前にアートをやりたいなと思っていたころに比べると、もう格段によくなりました。まずギャラリーができた。コマーシャルギャラリーが増えたということと、少しではありますけれども、「絵を買う」という人たちが、日本の国内にも出てきたということ。やはりアーティストは物をつくるのが基本なのですが、それが売れることによって、アーティストにもお金が入るし、元気も出るし、アートというマーケットが流通する、そういうのが今まで全くなかったので、それが少しずつだけれどできてきたというのは、この先とても楽しみです。それも村上隆さんや奈良美智さんの効果がすごくあると思うのですけれど。
あとやはり海外のキューレーターなりギャラリストが、日本のアートを注目し始めたということもあります。今まで全く無視されてきたところだったのですけれども、日本にいながらにして海外の人とコミュニケーションとれるというところが大分変わりましたよね。
みんなが気軽に楽しめる森美術館

森美術館の展覧会、企画展などは、僕が教えている美大の生徒もみんな見に行っています。場所としてはとても面白い位置にありますよね。展望台と一緒になっているということもあって、美術にそれまであまり関心がなかった人も、展望台のついでに見ていくという、見てしまえば、結構面白いことをやっているので、長い時間見ていたりとか。うちの親なども展望台に来たついでに美術館を見たりとかしていたりしたので、そういう意味では美術館の敷居の高さみたいなのがあまりなく、みんなが楽しめるような場所にあるのではないかと思います。
六本木ヒルズオープンのときには、かなりの多くのアイテムをつくらせてもらいました。
たくさんの数のお客さんが来てくださって、僕のつくったグッズも、たくさん出ました。全く僕のことを何をやっているか知らない遠い親戚のおばさんが、たまたまその缶を買ってくれていたりとか、自分のつくった物が、日本中に広がっていったというのは、今までにない感覚でしたね。広告をやって、CMをやって、「あのCM見ましたよ」とか、そういうのはあったのですが、自分のグッズが全国に広がっていくというのは、何かちょっとドキドキしました。
楽しいですね。キャンバスで100号の絵を描くのもいいのですが、グッズとして、家庭に入って、それこそ親戚の人が買っていてくれたというのは、自分の小さなアートが世の中に広まっていくという、そういう感覚ですね。
関連リンク
プロフール
1962年東京に生まれる。東洋美術学校卒業後、湯村輝彦氏に師事。
1997年エンライトメント設立、米津智之が参加。伝説のフリーペーパー「トラック」を創刊(全7号)し、NY・パリなど世界8都市に発信。
2000 年パリ、コレットにて個展。新フリーペーパー「ディスプレイ」創刊。渋谷パルコギャラリーにて個展[2-Delight]開催。同時に作品集[2- Delight]出版(コンポジット・プレス)。村上隆キュレーションのスーパーフラット展LA参加。ACTIVE WIRE展(韓国)参加。JAM展バービカンセンター・アートギャラリー(ロンドン)参加。PLANET UNDER A GROOVE展(ブロンクス美術館)参加。2002年JAM展オペラシシティー(東京)参加。2003年名古屋現代美術館にて個展。
2004年箭内道彦らと「風とバラッド」設立。
2005年ヒロミヨシイギャラリーにて個展開催。パリ、シカゴ、北京、マイアミなど海外のアートフェアに参加。スペイン、バルセロナで行われた音楽イベント「ソナー」にVJで参加。「ロープス」立ち上げに参加。パリにてファッションブランド「モスライト」のインスタレーションを行う。イタリア、ナポリにて個展。
2006年キャノンギャラリーにて体感型立体映像を発表。ギャラリー「マジカル」運営メンバーに参加。2007年 六本木クロッシング展(森美術館)参加。