森ビル株式会社

その一皿に独創性と驚きを

2008年03月28日

今月のゲスト:赤坂溜池タワー「シュマン」オーナー 柴田覚さん

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隠れ家のような名店。質の高い日本の素材の良さをシェフのアイディアが引き出していく。フレンチレストランとして最高の名誉「東京ミシュランガイド」の星を獲得したシュマン。自らソムリエでもある柴田さんがお店を紹介します。

「人がつくる」がコンセプト

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ブーダンノワールのカリカリポテト包み

こんにちは、赤坂溜池タワーにございますフレンチレストラン、シュマンの柴田です。
ミシュランというガイドブックから1つ星を頂戴いたしまして、本当に嬉しく思っています。これほどまでに影響力の大きなガイドブックは発行されたことがなく、同時にメディアの力もマーケティングのよさも手伝ってか、とても反響が大きいです。
常連さんは本当に暖かく見守ってくれていて、素直に「よかったね」と自分のことにように喜んでいただいています。同時に「予約がとりづらくなるわね」と皆さん、必ず言います。でも、それも喜んでくれている1つで、従業員のモチベーションもみんな上がりますし、何よりシェフも喜んでいます。
今回のミシュランの評価は、ミシュラン独自のヒエラルキーをつくろうというのが、とても表に出ていると思いました。常に進歩している、進化しているメニューをつくり出しているお店が評価されているのかなと、感じました。
それがいい悪いというよりも、そこに合わせてお店をやっていくかどうかというのは、また別の話になりまして、大変難しい問題だと思います。

シュマンは赤坂溜池タワーにあるのですが、その場所は特別な場所だと思っています。建物が分離していて、アネックスという表記をしていますが、本当に一軒家のように見えます。
レストランは人がつくるということをコンセプトにし、本当に1つ1つ丁寧にやろう、ということを目標にしています。
前菜で、ブーダンノワールというスペシャリテがあります。これはフランスの家庭料理の1種で、腸詰になってソーセージのような形をして売っている、いわゆる豚の血と背脂でつくったピューレを固めたソーセージ状のものです。それをうちの料理長は進化させるというか、再構築する形で、そのブーダンのピューレを丸めてジャガイモで包んで油で揚げます。油で揚げるのですが、非常にさっぱりしたお皿です。

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