HILLS CAST
“東京をおもしろくするアイデア”を持ったゲストをお迎えしてお届けする「HILLS CAST」は、J-WAVEのラジオ番組「森ビル presents 東京コンシェルジュ」内で放送していた森ビルのラジオCMです。
※掲載内容は、取材・放送時点のものです。
走り続けるパティシエの今(第5回)
2008年03月28日
今月のゲスト:パティシエ 辻口博啓さん

「モンサンクレール」や六本木ヒルズ・けやき坂通りの「ル ショコラ ドゥ アッシュ」など様々なスイーツブランドを次々に立ち上げ、今では日本のスイーツ界をリードする存在となった辻口さんが語る、仕事への愛と情熱、野望。そして故郷への思い。
第5回 これからも進化を深める『ル ショコラ ドゥ アッシュ』

『ル ショコラ ドゥアッシュ』はこれからもっと成長して、さらに完成度を高めていきたいと思っています。成長していくというのは、店舗をあちこちに出すのではなくて、あの1 店舗に対して極めていくということだと思うのです。まだまだショコラの世界の中でやらなければいけないこと、やりたいことがいっぱいあります。ショコラというフィールドでは『ル ショコラ ドゥ アッシュ』が一番なので、そこで高めていきたいと思っています。
総合パティスリー『モンサンクレール』では、旬を追いながらおいしさに向かっていろいろなコンセプトを出しています。駒沢公園にある『マリアージュ ドゥ ファリーヌ』『コンフィチュールアッシュ』は、素材を閉じ込めたコンフィチュールと、発酵というものに特化したブーランジュリーです。パンをギフトにするというコンセプトがあまりないので、例えば贈りものにできるブーランジュリーというようなことをやっていきたい。そしてケーキのようにパンを作っていきたいと考えています。さらにパンと組み合わせてのコンフィチュールの提案もしていく予定です。
『和楽紅屋』は、東京の新しいお土産ブランドとして育てたいと思っています。このお店では「東京カステラ」、和素材を使ったバームクーヘン「和バーム」、あと一番の核になっている和楽(和ラスク)は、例えば能登のアオサを使ったり、五穀味噌、醤油を使ってみるなど和と洋の素材の融合を目指しています。そういう和の素材を使ったおいしさをラスクに閉じ込めて、1つのギフトとして全国に持っていってもらう、東京に行った際には『和楽紅屋』のものを買ってもらうことによって、東京だということをイメージできるようなブランドに育てていきたいと考えています。
「辻口博啓美術館」も、能登の原風景というものを更にみなさんに見てもらうために、作品や、作品スペースを広げていきたいと思っています。
僕自身、スイーツから見た空間や、スイーツから見た音楽、スイーツから見たファッションなど、そういったものを更に広げていきたいです。
2009年頃に、またすごいことになると思います。ちょっと今は言えないのですが、「また、辻口やらかして」ということが起こるかもしれないので、みなさん期待していてください。
関連リンク
プロフール
1990年「全国洋菓子技術コンクール」で最年少優勝を機に、国際コンクールに出場し、優勝を重ねる。1997年フランス菓子のワールドカップといわれる「クープ・ド・モンド」飴細工部門個人最高得点獲得を含み、国際コンクールに日本代表として出場し3つのタイトルを獲得。1998年自由が丘に「モンサンクレール」をオープン後、コンセプトの異なる10のスイーツブランドを展開。2006年に開館した「辻口博啓美術館」では、6mにも及ぶアメの壁画など、『五感で堪能できるアート空間』を創造し、これまでの「パティシエ」の概念を大きく打ち破る。
現在は各店舗の製造、運営の傍ら、各企業のプロデュースやコラボレーションの他に、著書執筆や講演会、テレビ、ラジオの出演多数。活動は多岐に渡りその活動は、ラジオパーソナリティーをつとめる「アトリエアッシュ」や、自らがナビゲートするライフスタイルマガジン「H・STYLE」発行、公式ブログ『辻口日記』と様々な分野で発信。7月よりスーパーパティシエのお菓子教室「ECOLE-H」により動画によるお菓子教室を配信中。2007年11月には和楽紅屋の3号店目をオープン。辻口の提案する東京土産の「和楽(わらすく)」が大丸 東京店で購入可能になりました。