森ビル株式会社

2008年企業広告「ここはどこでしょう。」

ここは、どこでしょう。

ここは、東京のアークヒルズにあるサントリーホールの「屋上」です。
こんなところに、大きな木々が茂り、花が咲いていることをご存知だったでしょうか。
森ビルは、22年前にアークヒルズをつくった時、この屋上に土を入れ、木を植えました。
当時、ビルの上に木を植えるのは、木がかわいそうだと言われたこともありましたが、
そこから今日まで木々は倒れることなく、しっかりと根付いています。
約10年前からは「アークガーデン」という名のもとに、花がある庭になり、「ガーデニングクラブ」も発足。
植物を愛する方々が、学びながら、庭づくりに参加できる場にもなりました。
周辺の高層オフィスや住居から下を眺めた時も、四季の花々や緑にほっとやすらげる庭。
ここには鳥達や蝶も訪れ、開発前にはいなくなると言われていた蝉も、夏には元気な声を響かせています。

私たちは街づくりを計画する時、いつも同時に緑のことを考えています。
緑を景観の添え物にはしたくないので、その場所での緑のあり方にもかなりの重点を置いています。
屋上緑化にも早くから数々の技術を注ぎ、その技術をまた次の場所に導入しながら、緑化を進化させています。
たとえば六本木ヒルズの映画館の屋上には、小さな田んぼを設営し、お米の収穫にも成功しました。
表参道ヒルズも、できるかぎりの屋上緑化がなされています。
そのはじまりと言えるのが、今年22周年を迎えるアークヒルズ。
ここは、それら街の先駆者として、深い緑に包まれた大人の街になってきたのではないかと感じます。

緑と人と街の共生。それは一筋縄ではいかない、難しい課題です。
でもこれからも私たちはずっと、未来の都市で緑とゆたかに暮らせる手法を探り続けていきます。
そしてすべての屋上の緑が定着するよう願っています。

都市と自然が共生するヴァーティカルガーデンシティ

Art Direction:井上庸子
Copy:青木美詠子
Photograph:ホンマタカシ

3月25日:フジサンケイビジネスアイ