森ビル株式会社

2008年企業広告「ここはどこでしょう。」

ここは、どこでしょう。

ここは六本木ヒルズの映画館の屋上です。
六本木ヒルズがオープンした2003年から、ここに田んぼがあることをご存知だったでしょうか。
近所の子供達によって、もう5回も田植えや稲刈りが行われ、収穫は毎年、米俵1俵にもなります。
田んぼの傍らには野菜畑、池にはメダカや蛙もひょっこり。まさに日本の田園風景がここに存在するのです。
またこの田んぼは、地震の際に重量のある屋上だけを揺らし、ビル本体の揺れを押さえる
「グリーンマスダンパー」という画期的技術によって、この建物の免震装置としても一役かっています。実は、一石二鳥の風景なのです。

そこから六本木ヒルズ全体の緑に目を転じてみると、屋上にはできる限り庭園がつくられています。
けやき並木や広い日本庭園も整備、ヒルズ内の緑被率(緑の水平投影面積)は、都心部では極めて高い水準を実現できました。
それは、「高層化や地下の活用によって土地を集約し、空いた場所に緑を増やす」という、私達の一貫した都市開発の理念から生まれたものです。
掲げた理想は、「垂直の庭園都市」。空や地下をうまく使い、地表で人と緑がゆたかに生きられる都市です。
将来、その集約によって、住居もオフィスも共に近く存在できたら、緑あふれる並木の下を散歩しながら、通勤できる日が訪れるかもしれません。

私達森ビルは、緑を街の添え物にすることなく、共に暮らしていくための発想をどこまでも続けていきます。
そして都市の緑は、あらゆる場所に、あらゆる技術と努力で、増えていくと確信しています。

これからは、街を生むことで、緑が生まれる。

Art Direction:井上庸子
Copy:青木美詠子
Photograph:若木信吾

4月22日:フジサンケイビジネスアイ