表参道ヒルズ
Omotesando Hills
コンセプトConcept
歴史ある表参道の景観と環境との調和を第一に考え、設計には建築家の安藤忠雄氏を起用しました。地下空間を最大限効果的に活用することで建物本体の高さをケヤキ並木と同程度に抑え、積極的に屋上緑化を取り入れることにより、ケヤキ並木と融合する緑豊かな景観が生まれました。また、人々の記憶に刻まれた景観を次の世代に継承したいという思いから、旧同潤会青山アパートを「同潤館」として再生、さらに、雨水を利用した「疎水」などによる新たな環境配慮など、「表参道ヒルズ」には、街の歴史や文化を大切に育みながら、いつまでも多くの人々に親しんでいただけるよう、さまざまな工夫が施されています。
表参道ヒルズは、日本のファッション、文化の中心としてトレンドを発信し続けてきたストリート・表参道の新たな核として誕生した、世界に類をみない文化商業施設です。
本館中央の6層(地下3階~地上3階)の吹抜け空間や、それを螺旋状に囲むように表参道の坂とほぼ同じ勾配を持つ長さ700mの“スパイラルスロープ” (第二の表参道)、吹抜け空間中央(地下1階から地下3階)の大階段、そして大階段につながる地下3階には約500m²の広さを持つ多目的スペースなどが配置されています。また、外壁に設置された長さ250mのLED「ブライトアップウォール」をはじめ、LEDのムービングライトや大画面ディスプレイなど、光や音などによる多彩な演出を可能にする装置・技術が館全体に施されています。
これらの創造的な空間と、スパイラルスロープ沿いを中心に配置された“こだわり”の店舗群、参加アーティスト、そして高感度な人々が集う表参道ヒルズは、施設全体が新たな“メディア”である、これまでにないまったく新しい表現力を持つ施設です。
開発経緯History
当計画の軸となる同潤会青山アパートは、日本の集合住宅の原点とも言われ、1927年の完成から75年もの間、表参道のランドマークとして広く親しまれてきました。その一方で、建物は老朽化が進み、居住者を中心とした建替の動きはすでに昭和40年代から始まっていました。
1995年の阪神淡路大震災以降、事業実現に向けての具体的な検討を重ね、2002年の組合設立、2003年着工、2006年に竣工しました。

同潤会青山アパート(建替え前)

外壁の一部を再生し、旧青山アパートの面影を感じる「同潤館」(建替え後)
開発経緯年表
1968年 | 同潤会青山アパート建替への取り組み開始 |
1998年 | 設計を安藤忠雄氏に依頼 |
1998年 | 東京都より底地払下実施 |
2001年 | 神宮前四丁目地区市街地再開発準備組合設立 |
2002年 | 神宮前四丁目地区第一種市街地開発事業に関する都市計画決定 |
2002年 | 神宮前四丁目地区市街地再開発組合設立 |
2003年 | 神宮前四丁目地区第一種市街地開発事業に関する権利変換計画認可 |
2003年 | 着工 |
2006年 | 竣工 |
施設概要Facility Overview
レジデンス
表参道ヒルズ ゼルコバテラス
表参道を代表するランドマークとなった「表参道ヒルズ」。その日当たりの良い施設上層部に配置された住宅は、全室が街の象徴であるケヤキ並木を一望できる特等席です。建築家安藤忠雄のデザインによる住宅は、木漏れ日、そよぐ風、街の音を受け入れ様々な表情を見せてくれます。シンプルなデザインだからこそ、街の気配を味わう個性的なライフスタイルが可能になります。
商業施設
表参道ヒルズの商業エリアは、西館(地下2階〜地上2階)、本館(地下3階〜地上3階)、同潤館(地上1階〜3階)の3つの建物からなり、本館地下4階にはお客様駐車場を完備しています。
ファッション感度の高い大人のニーズに応えるブランドの充実を図ると共に、表参道ヒルズならではの上質で個性的、そしてオンオフの境目のないファッションスタイルを提案しています。
データシートData Sheet
事業名称 | 神宮前四丁目地区市街地再開発事業 |
所在地 | 東京都渋谷区神宮前4丁目12番10号 他 |
開発区域面積 | 約1.2ha |
敷地面積 | 6,051m² |
建築面積 | 5,031m² |
延床面積 | 34,062m² |
用途 | 店舗、住宅 他 |
階数 | 地上6階・地下6階 |
高さ | 23m |
緑被率 | 35.38% |
着工 | 2003年8月 |
竣工 | 2006年1月 |
構造 | SRC造(一部RC造・S造) |
設計 | 安藤忠雄建築研究所、森ビル設計共同体 |
施工 | (株)大林組 |
施行 | 神宮前四丁目地区市街地再開発組合 |