2025年度、森美術館は引き続き、世界情勢や現代アートの国際的な動向を視野に入れた展覧会やラーニングプログラムをお届けします。不透明感を増す未来に、私たちはどのようなビジョンが描けるのでしょうか。さまざまなアーティストやクリエイターの革新的かつ多角的な視点をとおして、現代社会を俯瞰することから考えてみたいと思います。

既にお知らせしている「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」(2025年2月13日~6月8日)では、今まさに注目されている新しいテクノロジーが芸術表現にどのような影響や可能性をもたらすのかを探求します。
続いて7月から11月には「藤本壮介展」を開催します。森美術館ではこれまでル・コルビュジエ、フォスター+パートナーズ、へザウィック・スタジオといった建築家・スタジオの個展を開催してきましたが、今回は現代美術館における建築展の在り方そのものに挑戦し、建築思想の本質を空間的に体感するような展覧会を目指します。そして12月から2026年4月にかけては、再び「六本木クロッシング」がやってきます。2004年以来、日本の現代アートの動向を定点観測してきた同シリーズは、回を重ねるごとに注目度が増しています。8回目となる「六本木クロッシング2025展」では森美術館のキュレーター2名の視点に、アジアから日本を見るゲストキュレーター2名の経験や視点を融合させ、2025年時点におけるローカリティの意味やアジアにおける日本の位置づけなどを複層的な視点から掘り下げて考察します。

2025年度の森美術館にもどうぞご期待ください。

森美術館 館長 片岡真実

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