森ビル株式会社および虎ノ門エネルギーネットワーク株式会社は、この度、空気調和・衛生工学会(以下、同学会)より、虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーにおいて「第62回学会賞技術賞奨励賞」を、また麻布台ヒルズにおいて「第1回コミッショニング賞」を受賞いたしました。

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左)虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー、右)麻布台ヒルズ

「学会賞技術賞奨励賞」受賞:虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー

「学会賞技術賞」は、同学会が1963年以来、学術と技術の進歩を図る目的で、毎年会員の論文、設備技術の業績などのなかから特に優秀な取り組みを表彰するものです。
今回奨励賞を受賞した虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーでは、建物およびエネルギーセンターにおいて、快適性と省エネルギーを両立した空調システムを構築し、運用面では需給連携やAI技術導入によるさらなる省エネルギーに向けた取り組みを行うことで、従来のシステムと比べ、建物内では年間の一次エネルギー※1消費量の約27%を削減、エネルギーセンターでは東京都内のCGS(コージェネレーションシステム)を保有するDHC(地域熱供給)内でトップクラスの効率を達成しました。なお、当社における受賞は、六本木ヒルズ森タワー(2005年、学会賞技術賞)、虎ノ門ヒルズ 森タワー(2017年、学会賞技術賞)に続き3度目となります。

※1:石油、天然ガスなどの自然から直接採取できるエネルギー

「学会賞技術賞奨励賞」受賞理由
本業績は、都市部の超高層複合用途テナントビルにおいて、BCPや省エネルギー、快適性に配慮した空調システムの構築に取り組むとともに、需給一体となった省エネルギーマネジメントにも取り組んだ事例である。主たる特徴は、AIを活用したエネルギーマネジメントシステム(AI活用EMS)を構築している点にあり、気象予報と運転実績データを基に電力負荷・熱負荷を予測し、エネルギーセンターのCGSと熱源機器の運転計画立案、計画に沿った自動運転、リアルタイムで運転計画の見直しを可能としている。

「コミッショニング賞」受賞:麻布台ヒルズ

「コミッショニング賞」は、同学会がコミッショニング※2の普及・促進を目的に、建築設備システム・地域エネルギーシステムの品質向上、省エネルギー性能・環境保全性能の向上を目指したコミッショニングの分野で特に優秀な取り組みを表彰するものです。今回受賞した麻布台ヒルズでは、発注者が求める性能を文書として明確化したうえで、計画・設計・施工の各フェーズにあたり専門家を交えた適材適所な体制を構築しコミッショニングを行うことで、AI技術を活用した次世代型電熱供給エネルギープラント構築およびBCP性能向上に向けた様々な機能の検証を実施しました。
なお、コミッショニング賞は2023年度に新設されたもので、麻布台ヒルズが第1回の受賞となりました。

※2:ビルのオーナーやユーザーが求める建築設備への要求性能を文書としてまとめ、その要求通りに企画・設計され、建設され、運用されていることを検証する過程(プロセス)。または、現状の運用性能を分析し、より適切な運転にするために必要な調整や改修、ならびに運転の最適化を提案し、性能検証して実現するプロセス

「コミッショニング賞」受賞理由
本業績では、大規模DHCプラントの熱源最適化による熱電供給の安定と省エネを実現する運用を目指し、計画、設計、施工の各フェーズでコミッショニング(Cx)が適切に実践されており、これからの省エネルギー、カーボンニュートラルの実現に向けてのCxの適正な普及展開に資する業績と評価できる。また今後の運用においてCxの効果がさらに検証されることが期待される。

森ビルは、引き続き、「都市を創り、都市を育む」の理念のもと、"都市と自然の共生""都市の脱炭素化""資源循環型の都市"を追求し、未来へとつながる持続可能な社会の実現に貢献してまいります。