森ビル株式会社(東京都港区、代表取締役社長 辻慎吾)は、経済産業省より受託した「海外における起業家等育成プログラムの実施・拠点の創設事業」の一環として、2023年秋に、米国・シリコンバレー(パロアルト市)にビジネス拠点(以下、当拠点)を開業いたします。
当拠点は、日本と海外のスタートアップ・エコシステムの結節点となることを目指しており、海外展開に挑戦する日本のスタートアップや起業家などが活用できるオフィスやコワーキングスペースを備えるほか、現地の企業と共に、オープンイノベーションに繋がる各種交流プログラムを展開する予定です。この度、当拠点のオフィスおよびコワーキングスペース利用者等の募集を開始いたしましたので、お知らせいたします。

「イノベーション人材の育成」と「世界の先端地域との繋がり」が鍵

経済産業省が令和4年度に公募した「海外における起業家等育成プログラムの実施・拠点の創設事業」(以下、本事業)は、政府による「スタートアップ育成5か年計画」(※1)の一環として、日本のイノベーション創出の加速と、スタートアップ・エコシステム形成を目的としており、特に世界基準の行動感覚やネットワークを有するイノベーション人材の輩出と、グローバルな先端地域と日本のスタートアップ・エコシステムとの繋がりの強化を図るものです。

日本におけるイノベーション創出の加速と、スタートアップ・エコシステム形成の鍵となるのは、イノベーションを担う人材の育成と、シリコンバレーをはじめとするグローバルな先端地域との繋がりだと言われています。日本のイノベーション創出の課題として、起業の際にグローバルな視点を持って世界規模でビジネス展開を目指す企業が少なく、ユニコーン企業(※2)が生まれづらいことや、いざ世界を視野にビジネス拡大を試みるも、シリコンバレーをはじめとする世界の先端地域のキーパーソンとのネットワーク不足によって、資金調達、人材確保、販路拡大などが困難であることが挙げられます。

本事業は、これらの課題を解決すべく、(1)米国西海岸等における起業家等育成プログラムの実施、(2)米国東海岸及び世界各地における起業家等育成プログラムの実施及びグローバルイベントの開催、(3)シリコンバレービジネス拠点の創設、を同時に推進するもので、当社は(3)シリコンバレービジネス拠点の創設を受託し、2023年秋以降の開業に向け、この度オフィスおよびコワーキングスペース利用者等の募集を開始いたしました。

日本のスタートアップの海外進出を強力に後押し

当拠点が位置するシリコンバレーのパロアルト市は、最先端ITの研究拠点であるスタンフォード大学やベンチャーキャピタルが集積するサンドヒルロードとも近く、また他国のインキュベーション施設も集積しているエリアです。
当拠点では、経済産業省が進める人材派遣プログラム「J-StarX」開催場所の1つとなり、日本の起業家や学生等を受け入れると共に、現地のアクセラレーターやベンチャーキャピタル等の民間企業、世界トップクラスの大学・学術機関、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)等の行政機関を含む産学官で連携し、日本のスタートアップの海外進出とエコスシステムの成長・発展を強力に後押しします。また、日米のスタートアップ、企業、投資家の交流機会を創出するなど、日米双方向のオープンイノベーションの実現を目指します。

※1 スタートアップ育成5か年計画:岸田内閣が、2022年11月24日に発表したスタートアップ育成強化の方針
※2 ユニコーン企業:創業してから10年以内、企業価値評価額10億ドル以上で未上場のベンチャー企業のこと。一般的にはテクノロジー企業とされる。

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当社は、引き続き、多様なプレーヤーが集い、対話し、共創する「場」と「仕掛け」づくりを推進し、国際都市・東京の磁力向上に貢献してまいります。