環境と緑化
緑を創出し、 自然と共生する都市開発。
自然と都市は、決して対立する概念ではありません。そのことはすべてのヒルズが証明しています。人間中心に都市を考える森ビルにとって、緑は欠くことのできないもの。私たちは「立体緑園都市」という手法を駆使しながら都市に緑を創出する取り組みを続けてきました。最初に取り組んだのは「屋上緑化」。その先駆けとなったアークヒルズでは、サントリーホールの屋上に「ルーフガーデン」と呼ばれる庭園を設置しました。こうした流れは六本木ヒルズにも継承され、けやき坂コンプレックスの屋上には水田も設置。これらの緑地は農作業体験など街のコミュニティ活動の場としても機能しています。


こうした取り組みによって、森ビルはアークヒルズ以来12haもの緑を創出してきました。これは都立芝公園とほぼ同じ面積に相当。結果として、港区は東京23区の中で最も緑の面積が増加している区のひとつとなっています。また緑被率で見ても、主要ヒルズの平均が約40%。港区など緑被率が高いとされる区でも21〜23%程度なので、それを大きく上回っており、ヒートアイランド現象の緩和にも貢献しています。
緑地規模の増加
最新の技術を駆使して 緑を増やす。
通常、屋上には人工の軽量土壌が使われます。建物の構造として重い土では耐えられないからです。しかし森ビルは、本物の土で木を育てたいという想いを持っていました。そこで土の重みに耐えられる建物構造を研究。六本木ヒルズで「グリーンマスダンパー」という技術を開発しました。これは屋上緑化の重量を制振構造に活用するもの。この技術によって緑を増やしながら防災性を高めることに成功しています。

緑の質にこだわり、 生物多様性を確保。
加えて、私たちは「緑の質」にも目を向けてきました。ヒルズの植栽も、季節の移ろいを感じられるように落葉樹や草花を積極的に取り入れてきました。さらに今では生物多様性の確保も重要なテーマとなっています。六本木ヒルズのけやき並木は街の象徴とも言える存在ですが、麻布台ヒルズでは単一の樹種による並木にはせず、かつて土地に根づいていた在来種を中心に、多様性と土地の記憶を受け継ぐ自然環境をめざしています。
また各ヒルズ内の緑地だけでなく周辺の緑地をつなぐことによって、都心部におけるエコロジカルネットワークを形成。生きものの中継地や生息地となるように豊かな緑を増やしてきた結果として、ヒルズでは多くの鳥やトンボなどの生きものが確認できるようになっています。

エコロジカルネットワーク




