防災・安全
再開発によって、 オープンスペースを生み出す。
かつて阪神淡路大震災では、古い木造住宅が密集した地域で家屋の倒壊や火災の延焼などによって甚大な被害が発生しました。都市における木造住宅密集地域では、緊急車両の通れない細道が入り組んでいたり、防災上の課題なども抱えています。大きな災害に備える意味で、その整備は喫緊の課題となっています。森ビルが進める大規模都市再開発では、細分化した土地を統合し分散していた建物を集約して超高層化することで、広大な空間を生み出すことができます。
緊急車両が通行しやすいように道路を整備するほか、地上に広いオープンスペースが生まれることで有事の際の避難エリアを確保。たとえば麻布台ヒルズでは約6,000m²のスペースが用意され、帰宅困難者が発生したときには約3,600人を受け入れられるようになっています。さらに森ビルは、六本木ヒルズで5,000名、虎ノ門ヒルズで5,200名、その他主要施設でも帰宅困難者を受入れることで港区などと協定書を締結。受入場所の確保、食料・資機材などの備蓄、情報提供などの対応を行っています。官民連携のもと、周辺地域の防災拠点として貢献していきます。




ハードからソフトまで、 災害に強い都市基盤を。
ヒルズの建物には、制振壁、制振ダンパーなど、現在考えうる最高レベルの耐震性能を持たせています。万が一のために中圧ガスによる自家発電システムなども導入。どんな場合においても電力の安定的利用環境を確保し、非常時にも安定した電力供給が可能なシステムを構築しました。さらに災害用井戸や備蓄倉庫などの整備も行なっています。
また、街全体での定期的な防災訓練の実施により、機器操作や有事の対応についての習熟を図るとともに、震災への意識向上に努めています。また外国人居住者の多いエリアであることから、英語の解説に加えて外国人にもわかりやすい「やさしい日本語」を活用した訓練も行なっています。
建物の耐震化と同時に広い公園や道路を整備することで、災害に強いだけでなく環境にも優れた都市基盤を整備する。ハード面だけでなくソフト面でも万全に備える。これが森ビルの提案する都市づくりの基本的な考え方です。森ビルは、これからも安全で安心な都市づくりに取り組んでいきます。

オイルダンパー

粘性体制震壁

座屈拘束ブレース

麻布台ヒルズの制振構造