森美術館は、2018年4月25日(水)から9月17日(月・祝)まで、「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」を開催します。
いま、世界が日本の建築に注目しています。丹下健三、谷口吉生、安藤忠雄、妹島和世など多くの日本人建築家たちが国際的に高い評価を得ているのは、古代からの豊かな伝統を礎とした日本の現代建築が、他に類を見ない独創的な発想と表現を内包しているからだとはいえないでしょうか。
日本は、明治維新からの150年間、大いなる建築の実験場でした。幾多の実践のなかで、日本の成熟した木造文化はいかに進化したのでしょうか。西洋は日本の建築にどのような魅力を見いだし、日本建築はそれにどう向き合ったのでしょうか。日々の暮らしや自然観といった目に見えないものの変遷も日本の建築を捉える上で重要な要素となるはずです。
本展は、いま、日本の建築を読み解く鍵と考えられる9つの特質で章を編成し、機能主義の近代建築では見過ごされながらも、古代から現代までその底流に脈々と潜む遺伝子を考察します。貴重な建築資料や模型から体験型インスタレーションまで多彩な展示によって、日本建築の過去、現在だけでなく、未来像が照らしだされることでしょう。

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(左)丹下健三《自邸》1953年 東京、現存せず 撮影:丹下健三
(中央)谷口建築設計研究所《鈴木大拙館》2011年 金沢 撮影:北嶋俊治
(右)安藤忠雄《水の教会( 星野リゾート トマム)》1988年 北海道 画像提供:星野リゾート トマム