1)環境にやさしい六本木ヒルズの発電設備「六本木エネルギーサービス」

六本木ヒルズでは、都市ガスを燃料とし、独自のエネルギープラント(特定電気事業設備)によって、域内の電力を発電・供給。さらに、ガスタービン発電機での発電の時に出る排熱を熱供給施設へ送り、冷熱、温熱としても利用する高効率な「大規模ガスコージェネレーションシステム」を構築しています。

発電時に発生した熱も有効に活用。大規模ガスコージェネレーションシステムについて

「コージェネレーション」とは、発電と共に発生した熱も利用することを言います。
発電は都市ガス(天然ガス)を燃料にして、ガスタービン発電機で行なっており、その時に出る排熱を蒸気として取り出し、熱供給施設へ送り、全量を冷熱、温熱として利用しています。通常の発電所は原子力発電所も含め、この排熱を海に捨てており、この差がエネルギーの有効利用ということになるわけです。

環境面での特性

オフィス、住宅、商業施設、ホテル等の複合用途から構成される六本木ヒルズでは、安定した電気・熱の需要があり、電力需要ピークも平準化されることなどからエネルギーの効率利用を達成しています。
さらに、コージェネレーションシステムによって電気と熱を一体的に製造することで、発電時の排熱も無駄なく活用し、省エネルギー率で16%、CO2で18%の削減を達成。
また、大気汚染の元であるNOX(窒素酸化物)の排出については、ガスタービンの脱硝装置や低NOXボイラの採用により、42%の削減を達成し、環境面での負荷が非常に少ないシステムを構築しております。

極めて信頼性の高い3重の安全性(バックアップ)を持つ電源供給

通常は都市ガス(東京ガス)による発電を行い、東京電力とは常に系統連携することで、万一のガス供給停止の際も継続して電源が供給されます。さらに最悪の事態においても、備蓄している灯油を使用した電源供給が確保されています。

発電電力量
発電装置であるガスタービン1台あたり6,360kwを発電し、
6台全てが稼動した際は約38,660kw(外気0℃時※)の電力を発電。
※外気温度により発電能力が変動

六本木エネルギーサービスは、電力需給の逼迫が想定される夏場において、7月1日~9月22日の期間中、東京電力株式会社に対しての電力供給を実施いたします(8~22時 5000kW、22~8時 4000kW)。前回(3~4月)から送電期間、電力を拡大しての供給となります。(前回の送電期間:3月18日~4月30日、送電電力:8~22時 5000kW、22~8時 4000kW)

六本木エネルギーサービス株式会社
六本木エネルギーサービスは、六本木ヒルズを支える上で重要なエネルギーの内、ヒルズ内の各ビルで使われる電気と、冷暖房・給湯を行うのに必要な冷熱(冷水)と温熱(蒸気)の供給を、森タワーの地下にあるプラントから24時間365日に亘って行っている会社です。

・電気の発電と供給をする「特定電気事業」
六本木ヒルズ各棟(テレビ朝日スタジオ棟を除く)への電気の供給、特にレジデンスについては住宅専用部の各戸のお客様とも直接契約を行なっており、毎月の電気検針と請求業務も行なっています。
業務の質や供給責任なども東京電力とほぼ同じで、発電能力や供給箇所が極めて小さな電力会社と言ったイメージでしょうか。

・冷熱・温熱等を供給する「熱供給事業(地域冷暖房システム)」
熱供給事業とは、一般的に「地域冷暖房」と呼ばれるもので、一定地域内の建物群に対して、蒸気・温水・冷水等の熱媒を熱源プラントから導管を通じて供給する事業のことを言います。
国の熱供給事業法に基づいて行なっている事業所は全国で143箇所、会社数では84社もあり、当社もその一つです。導入例を挙げれば、新宿副都心地区や新橋の汐留地区、みなとみらい地区等が有名なところでしょうか。ビル毎にボイラや冷凍機を置いて必要な熱を造るのではなく、地域一体で熱源設備を集約して効率の良い運転が可能となり、設備設置スペースの効率化もメリットに挙げられています。

2)優良特定地球温暖化対策事業所に5棟が認定
~建物の建設段階から運用段階までを通じた省エネルギー活動で環境にやさしい街づくり~

六本木ヒルズ3棟(六本木ヒルズ森タワー、けやき坂コンプレックス、グランド ハイアット 東京)、表参道ヒルズ、アーク森ビルは、「地球温暖化の対策の推進の程度が特に優れた事業所」として、東京都より「優良特定地球温暖化対策事業所」として認定を受けました。
森ビルは「Vertical Garden City-立体緑園都市」をコンセプトに、地球環境に優しく魅力ある街づくりを積極的に推進し、首都東京のさらなる魅力向上に貢献してまいります。
優良事業所(PDF)

森ビルが提案する節電対策

  1. オフィスレイアウトの工夫が消費電力43%削減に貢献「MORI WORKING LAB」
  2. 森ビルの節電対応
  3. 「消費エネルギーの見える化」で省エネ・節電対策
  4. 街づくりにおける省エネのトップランナーとして:六本木エネルギーサービスほか