森ビル株式会社が管理運営する「麻布台ヒルズ」(東京都港区)が、この度、国土交通省および環境省が令和5年度に創設した表彰制度「脱炭素都市づくり大賞」の第1回表彰において、最優秀賞である「国土交通大臣賞」を受賞しました。

「脱炭素都市づくり大賞」とは、国土交通省および環境省が、2030年度ネットゼロを目指す優れた脱炭素型の都市の開発事業を表彰し、脱炭素型の都市づくりを促進することを目的に創設された表彰制度です。「国土交通大臣賞」は、「良質な都市の緑地を創出・維持し、かつ、熱利用を含む質の高いエネルギー面的利用やデジタル活用により、効率的なエネルギー供給を行い、効果測定を行う等、特に優れたまちづくりGX等の取組を行っている事業」に対して贈られるものです。
本表彰において、麻布台ヒルズは、各建物がすぐれた省エネ性能を有すると共に、AIを活用した高効率のエネルギーセンターを設け、エネルギーを面的利用することにより、効率的なエネルギー供給を実現し、街を挙げて環境負荷の低減を実現している点が評価されました。また、自治体計画に沿ったエコロジカルネットワークを構想し、極めて良質かつ広大な都市の緑地を整備した点も高く評価され、この度の受賞にいたりました。

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<選定理由>令和6年2月13日 国土交通省報道発表資料より
事業地内のビルは高い省エネ性能を有していると共に、民間で国内初となる都市部の下水熱利用も含めたエネルギーネットワークを形成し、気象予報や運転実績データからAIによる負荷予測に合わせた最適な運転計画により電気・熱を事業地内の複数ビルに供給することで、エネルギーの面的利用によるエネルギー利用の効率化の取組を行っています。
また、自治体計画に沿ったエコロジカルネットワークを構想し、民有地として2haを超える緑化空間を整備する中で、在来植物を多く使用するとともに、果樹園・菜園など、体験やコミュニケーションの場を設けており、極めて良質な都市の緑地の創出の取組を行っています。
これらの観点から、総合的に特に優れた取組であるとして高く評価されました。

森ビルは、引き続き、「都市を創り、都市を育む」の理念のもと、"都市と自然の共生""都市の脱炭素化""資源循環型の都市"を追求し、未来へとつながる持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

「脱炭素都市づくり大賞」の主な評価ポイント

(1)民間国内初の取り組みやAIを活用し、エネルギー利用を効率化

  • 街全体で「RE100(Renewable Energy 100%)」に対応する再生可能エネルギーの電力を100%供給。
  • 街全体にエネルギーを供給する高効率エネルギーセンターにAIを導入。気象予報や運転実績データをもとに負荷を予測する最適な運転計画を用いて、電気・熱を事業地内の複数ビルに供給し、エネルギーの面的利用による効率化を実現。
  • 事業地内のビルが、国の定める基準値と比較し約3割のエネルギー削減という高い省エネ性能を有する。
  • 未利用かつ再生可能なエネルギーである下水熱を、街全体における冷暖房の熱源の一部として活用。気温に比べ「夏は冷たく、冬は暖かい」温度特性を持つ下水の熱を回収し、利用し、年間70tほどのCO2排出量の削減に貢献。
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麻布台ヒルズにおける、エネルギーの面的利用(イメージ)

(2)緑化空間の量・質・運営方法において、極めて優良な緑地を創出

  • 約6,000m²の中央広場や、屋上・壁面など、約2.4haの大規模な緑化空間を創出。
  • 行政の生物多様性関連計画に沿った「エコロジカルネットワーク」を構想し、生きものの中継地や生息地となる緑地の整備や管理運営体制を整備。
  • 四季ごとに表情を変える約320種の多様な植栽のうち、6~7割程度がチガヤ、イロハモミジ、ケヤキなどの在来植物。
  • 果樹園では、収穫時には人々が実際に触れる機会をつくり、菜園では、商業店舗など街の各施設と連携したプログラムを計画するなど、体験やコミュニケーションの場としても活用。
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約6,000m²の中央広場を中心とした、大規模な緑化空間(イメージ)

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果樹園では、収穫時に人々が実際に体験できる機会を創出予定(イメージ)