森ビル株式会社が参加組合員として参画している虎ノ門・六本木地区市街地再開発組合(理事長 浜田 尚子)が、港区六本木1丁目・虎ノ門5丁目にて建設を進めております「虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業」が本年12月末に上棟いたします。

当事業は、東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」および日比谷線「神谷町駅」至近に位置する施行区域約2.0haの再開発事業です。高台に建つ地上47階(塔屋1階)・地下4階の複合棟を中心に、敷地南側には地上8階の住宅棟を配置。超高層の複合棟は、3~24階が住宅、25~47階がオフィスとなっています。また、建物の周囲には、生物多様性に配慮した緑溢れる空間を整備。住む人、働く人、訪れる人に潤いある都市空間を提供いたします。

【当事業のポイント】 
■最先端の安全技術を結集
・免震装置(住宅棟)、制振装置(複合棟)による高い耐震性能
・都市ガスによる非常用発電システム導入で企業の事業継続を強力にサポート
■環境への積極的な取り組み
・生物多様性に配慮した緑地づくり:JHEP評価日本初の最高ランク(AAA)取得
・低炭素社会の実現に向けて:CASBEE最高評価「Sランク」公式認証取得
■職住近接の豊かなライフスタイルを実現
・眺望と開放感に優れたビジネス空間
・緑に包まれた高品質なレジデンス

森ビルのエリアマネジメント展開の大きな一歩に

周辺は、各国大使館やホテル等が立地する、国際性豊かな地域です。今年25周年を迎えたアークヒルズ(1986年)にはじまり、オランダヒルズ(2004年)、アークヒルズフロントタワー(2011年)など、港区の街づくりの整備方針に沿って、段階的に、道路・広場等都市基盤の整備と複合的な都市機能の更新とが計画的に進んできました。今後さらに、21・25森ビル建替計画(2013年竣工予定)、環状2号線プロジェクト(2014年竣工予定)などが進捗するなかで、当事業は森ビルのエリアマネジメント展開における大きな一歩となるプロジェクトです。

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完成予想イメージ

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現況写真(2011年12月現在)

 

全体計画

敷地北東側は超高層複合ゾーンとして集約的に高度利用を図り、敷地南側に緑豊かなオープンスペースを有する中低層ゾーンを創出します。

■複合棟:低層部を店舗、3~24階をレジデンス、25~47階をオフィスで構成する六本木・虎ノ門エリア最大級のコンプレックスタワーです。
■住宅棟:都心部に稀な緑豊かなオープンスペースを有する、戸建て感覚の低層住宅を整備します。
■センタープラザ:広場に面して設けられる店舗一体となった「溜まり空間」「いこいの空間」とします。

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最先端の安全技術を結集:制振構造(複合棟)、免震構造(住宅棟)による高い耐震性能

複合棟(超高層)
約200mの高さを持つ超高層の複合棟は、建物内部に地震エネルギーを吸収する装置「制振装置」を組み込んで、地震の揺れを低減する制振構造を採用しています。
2種類の制振装置を併用する事で風揺れから中小地震~大地震まで制振効果を得て揺れを低減します。超高層ビルへの影響が懸念される長周期地震動についても制振効果を発揮します。

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住宅棟(低層)
低層の住宅には免震構造を採用。建物と地面を「積層ゴム」と呼ばれる特殊なゴムを挟み込んで切り離し、地震の揺れを伝わりにくくします。

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施工上のポイント「日本初、RC(鉄筋コンクリート)造のオフィス・住宅複合用途超高層ビル」
複合棟は、超高層複合用途ビルでは日本で初めてRC構造を採用。工場で製作された鉄筋コンクリートの柱・梁を現場で組み立てるプレキャスト工法を採用しています。一般にRC造は鉄骨造より工期が長くなりがちですが、プレキャスト工法によって鉄骨造並みの短工期を実現しています。

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都市ガスによる非常用発電システム導入で企業の事業継続を強力にサポート
3月11日に発生した東日本大震災を受け、電力不足の懸念と企業の事業継続計画(BCP)への意識が高まるなか、都市機能の維持と入居企業の事業継続性を高めるため、停電時に都市ガス(中圧ガス)による自家発電で電力を供給し、入居企業の通常業務を継続可能とする非常用発電システムを導入します。
従来の一般的なオフィスビルにおける非常用発電設備の電力供給は、避難用照明や換気、消火設備などの保安負荷のみを対象としますが、当非常用発電システムでは、オフィス執務室内のOAコンセントや照明、空調など専用部への電力供給も含め、ビル全体の想定最大使用電力の約85%を供給可能となります。
当システムは、災害に強い中圧導管による都市ガスを利用しております。さらに、重油貯蔵タンクの増強により同量の電力供給を継続、2重のバックアップにより入居企業の安定的かつ継続的な事業活動を強力にサポートします。

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環境への積極的な取り組み

生物多様性に配慮した緑地づくり:JHEP評価日本初の最高ランク(AAA)取得
地域の緑と生態系を守る視点から緑の「質」を見直し、小鳥のさえずりや虫の音が聞こえる地域本来の自然の姿を再生する取組みを行っています。これらの取組みが評価され、JHEP認証(※)にて国内初の最高ランク「AAA」を取得しました。

■生物多様性への取組み
・地域の在来種・自然植生をベースとした緑地づくり
※主な在来種:スダジイ、タブノキ、アラカシ、エゴノキ、ヤマボウシ ほか
・緑化効果を高めるまとまりのある緑地づくり
・多様な生き物のすみやすさを考えた立体的な緑地づくり
・枯れ木や落ち葉など生き物の巣や餌場となる環境づくり 

(※)JHEP認証・ハビタット評価認証(HEP: Habitat Evaluation Procedure)
1980年代に米国内務省により開発された、ハビタット(野生生物の生息地)の観点から自然環境を定量的に評価する手法。客観性や再現性、分かりやすさなど、合意形成ツールとしての優れた特長が評価され、現在、米国の環境アセスメントや自然再生事業において最も広く使われる手法となっている。
JHEPは、HEPの環境評価手法をもとに、(財)日本生態系協会が日本において企業等の取り組みを評価できるよう改良を加えて新たに構築したもの。生物多様性の保全や回復に資する取り組みを客観的に定量評価し、ランク付けした認証を行うことで、効果的な取り組みを普及させることを目的としている。

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低炭素社会の実現に向けて:CASBEE最高評価「Sランク」公式認証取得
持続可能な社会の実現のために、太陽光発電によりエネルギーの活用、LED照明の導入や環境負荷を低減する外気を利用した空調システムなど、省エネルギー・省資源対策の取組みを積極的に行っています。これらの取組みによって、環境性能評価の指標である「CASBEE」で最高ランク「S」を取得しました。

■環境負荷低減の取組み
・ヒートアイランドの抑制:敷地、屋上の積極的な緑化(緑被率:30%)
・最新省エネ設備の導入:LED照明の採用等
・自然エネルギーの利用:太陽光発電装置の設置
・外装日射遮蔽:Low-Eペアガラス、外装日射遮蔽庇の採用
・設備システムの高効率化:エネルギー見える化システムの導入等
・資源の有効活用:雨水利用による緑地散水、中水利用によるトイレ洗浄、カーペットの100%リサイクル等

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職住近接の豊かなライフスタイルを実現

眺望と開放感に優れたビジネス空間
オフィスは建物上部に配し、眺望と開放感に優れたビジネス空間を実現しました。1フロア約1,922m²~2,064m²のフロアプレートを効率的に利用できるよう、窓面からコア側壁面までを20mと14mに設定し、様々なスタイルのオフィス実現に応えます。基準階の天井高は2.8mで150mmのフリーアクセスフロアを実装。森ビルが開発したフォレストシーリングシステムは、パズルのように取り替えられるためオフィスレイアウトの変更や照明の増設などに柔軟に対応できます。さらに、室内に侵入する熱を抑えるLow-Eペアガラスの採用などで、環境への負荷を減らす工夫がなされています。

緑に包まれた高品質なレジデンス
複合棟の低層階に位置するレジデンスは総戸数243戸。周辺を緑に囲まれた、国際性豊かな立地に、新しいMORI LIVINGが誕生します。奥行き4mのバルコニーや、1ベッドルームから5ベッドルームまでの多彩なプラン、上質で飽きのこないデザインの邸宅をご用意しました。棟内にはスパ&フィットネスや、ビューラウンジも設けています。
なお、賃貸に加えて、一部分譲での募集も予定しています。

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東京を一望できる屋上のルーフガーデン
47階の屋上には、テラススペースを設けたルーフガーデンを設置。展望回廊から東京を一望できます。

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経緯

平成元年:地元との街づくりに関する勉強会を開始
 :
平成13年12月:虎ノ門・六本木地区市街地再開発準備組合設立
平成19年8月:都市計画決定告示
平成20年7月:虎ノ門・六本木地区市街地再開発組合設立
平成21年10月:着工
平成24年8月:竣工(予定)

計画的な街づくりが進むアークヒルズを含む広域エリア。その中でも、虎ノ門・六本木地区、虎ノ門・麻布台地区では、森ビルと地域住民の方々が一体となり、安全で住みやすい街への再生を目指し、再開発事業の実現に向け取り組んでいまいりました。この度、上棟を迎える虎ノ門・六本木地区再開発事業に続き、虎ノ門・麻布台地区につきましても準備組合が設立され、再開発事業の早期実現に向けて検討準備が進んでおります。

事業概要

所 在 地:東京都港区虎ノ門5丁目、六本木1丁目
事業名称 :虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業
施 行 者:虎ノ門・六本木地区市街地再開発組合(理事長 浜田 尚子)
参加組合員:森ビル株式会社、虎六開発特定目的会社
設 計 者:【設計統括】森ビル株式会社 一級建築士事務所
      【協力デザイナーおよび協力設計者】
      (外装デザイン)ペリ・クラーク・ペリ・アーキテクツ
      (建築)株式会社入江三宅設計事務所
      (設備・電気)株式会社建築設備設計研究所
      (構造)株式会社山下設計、株式会社大林組
      (住宅共用部デザイン)有限会社カザッポアンドアソシエイツ
      (住宅専用部デザイン)有限会社ジーツーデザインスタジオ
      (外構デザイン)株式会社タウンスケープ研究所
      (照明デザイン)有限会社内原智史デザイン事務所
      (サインデザイン)株式会社ジイケイ設計
施 工 者:(建築工事)株式会社大林組
      (電気設備工事)株式会社きんでん
      (空調工事・給排水衛生工事)三建設備工業株式会社
      (昇降機設備工事)株式会社日立製作所
施行区域 :約2.0ha
敷地面積 :<C-1地区>約15,370m² <C-2地区>約510m²
延床面積 :約143, 720m²
階  数 :(複合棟)地上47階、地下4階 ※住宅3~24階、事務所25~47階
      (住宅棟)地上8階 (建築基準法上 地上6階、地下2階)
高  さ :(複合棟)198.9m ※尾根道レベル(TP30)より
      (住宅棟)23.915m ※尾根道レベル(TP30)より
住 戸 数:(複合棟)243戸
      (住宅棟)33戸
主要用途 :事務所、店舗、住宅

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