虎ノ門・六本木地区市街地再開発組合(理事長 浜田 尚子)は、本日10月7日(水)「虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業」の起工式を執り行い、本体新築工事に着手します。

当再開発事業の施行地区は、都市再生緊急整備地域「環状2号線新橋周辺・赤坂・六本木地域」内、東京都港区虎ノ門5丁目と六本木1丁目にまたがる約2.0ヘクタールで、東京地下鉄日比谷線神谷町駅および南北線六本木一丁目駅至近に位置します。 
当地区は、国際性・文化性豊かであり、首都東京における枢要エリア「大街区」に位置します。平成元年頃から「緑の生活都心」をコンセプトに街づくりに取り組んできましたが、このほど、地区住民と行政、ディベロッパー(森ビル)が一体となった長年の取り組みが結実し、本体新築工事着工の運びとなりました。
今後は、平成24年(2012年)6月の竣工を目指し、1日でも早く完成するよう、鋭意取り組んでまいります。

当再開発事業の特徴
○国際性・文化性豊かな「大街区」における新たな複合機能拠点としての街づくり
○地区住民・行政・ディベロッパーが一体となった街づくりへの取り組みが結実
○当計画のポイント
    -道路・広場の整備や地区内の高低差解消などによる地域の利便性向上
    -「緑の生活都心」をコンセプトに開発段階から環境に配慮した取り組みを積極的に推進
    -高スペックかつバラエティ豊かなオフィス
    -国際性豊かな立地に相応しい住宅で新たな都心型ライフスタイルを提案

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地上47階建て、高さ約200mの複合棟と
住宅棟からなる複合施設(外観イメージ)
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国際性・文化性豊かな「大街区」における新たな複合機能拠点としての街づくり

本地区は、外堀通り・桜田通り・外苑東通り・放射1号線に囲まれ、各国大使館が立ち並ぶ国際色豊かな地域である通称「大街区」(約75ha)のほぼ中央に位置します。大街区では、港区の街づくりの整備方針に沿って、アークヒルズや泉ガーデンなど、段階的に、道路、広場等都市基盤の整備と複合的な都市機能の更新とが計画的に進められてきました。
また、大街区を含む「環状2号線新橋周辺・赤坂・六本木地域」約590haは、平成14年7月に政府の都市再生本部より「都市再生緊急整備地域」に位置づけられ、東京の首都機能の中核を担うエリアとして都市機能の緊急的な整備が期待されています。
当地区では、緊急整備地域や大街区の整備方針に沿って、道路や広場、緑地等の公共公益施設を新設整備するとともに、新たな時代のニーズに応える高機能の業務機能や多様なライフスタイルに応える都心型住宅(約280戸)等を整備し、同時に「緑の生活都心」をコンセプトに環境への積極的な取り組みも行いながら、首都東京においても枢要なエリアである「大街区」における新たな複合機能拠点としての街づくりを進めていきます。

地区住民・行政・ディベロッパーが一体となった街づくりへの取り組みが結実

当地区においては、港区により策定された「六本木・虎ノ門地区 地区更新計画」(昭和63年策定、その後修正を加え現在は「六本木・虎ノ門地区市街地総合再生計画(素案)」となっています。)に沿って、平成元年頃から「孫子の代に渡る将来に向け、安全・安心で住みよい街をつくりたい」と強く願う地区住民とディベロッパー(森ビル)が一体となって街づくりに取り組んできました。この間、バブル崩壊やリーマン・ショックなど大きな経済状況の変動もありましたが、着実に再開発計画の実現に向けた調査、検討を行いながら関係権利者の合意形成を進め、昨年7月には事業の施行主体である市街地再開発組合の設立認可、本年2月には権利変換計画の認可(権利者全員が同意)を経て、この度、工事着工を迎えることができました。
今後は、平成24年(2012年)6月の竣工を目指し、事業を推進してまいります。

【これまでの経緯と今後の予定】
平成13年12月11日   虎ノ門・六本木地区市街地再開発準備組合設立
平成19年8月2日       都市計画決定告示
平成20年7月11日     虎ノ門・六本木地区市街地再開発組合設立
平成21年2月5日       権利変換計画認可
平成21年10月          着工
平成24年6月            竣工(予定)

当計画のポイント

○道路・広場の整備や地区内の高低差解消などによる地域の利便性向上
大街区の交通ネットワーク拡充に資する外周道路を新設整備するとともに、計画地内において西側に約3,000m²、南側に約1,000m²の広場のほか、緑地(地区全体で約1,200m²)や歩行者通路等の新設整備を行います。また、計画地の西側と東側にある既成住宅地との約10mの高低差について、通路部分にエスカレーター、エレベーターを設置し、地域の利便性向上に寄与します。オフィス、住宅、商業施設の各用途の利用者に対しては、高低差のある敷地に対応し、それぞれに最適なアクセスルートを確保しています。

○「緑の生活都心」をコンセプトに開発段階から環境に配慮した取り組みを積極的に推進
当計画では、住宅、事務所、商業施設による複合的都市機能の整備を図り、土地の合理的かつ健全な高度利用を図ります。また、土地の高度利用により新たに生み出される空地を広場や緑地として整備し、潤いある都市空間を創出します。
整備後の緑地では、生物多様性に配慮した初めての取り組みを行うなど、従来の緑化を発展させた質の高い緑地計画を実現し、CO2削減にも寄与する省エネ機器を採用するなど、開発段階から環境に配慮した様々な取り組みを行っています。

【 生物多様性に配慮した取り組み】
“都市の森”を育てる取り組みとして、生物多様性に貢献する緑化および維持管理の検討を進めており、現況調査や文献調査をもとに設定した、元来この地域に存在する在来種や潜在自然植生に基づいて、地域の自然の再生を目指します。
主な在来種:スダジイ、タブノキ、アラカシ、エゴノキ、ヤマボウシ ほか

【 CO2 削減にも寄与する省エネ機器の採用】
初期照度補正機能付高効率照明や蓄熱式空調システムなどの採用により、建築設備の省エネルギー性能を示すERR値において約40%の削減を達成しています。
なかでも太陽光発電装置の設置によって、年間約30,000kWhの電力を生み出すことにより、約10t(スギの木約715本分)のCO2削減効果を見込んでいます。
また、環境に配慮し、雨水を緑地散水に再利用します。

○高スペックかつバラエティ豊かなオフィス
複合棟上層部の27~46階に位置するオフィスからは都心を一望でき、基準階の貸室は、約2,000m²の無柱空間を実現したフレキシビリティの高い快適な執務空間となっております。また、スカイロビーや会議室などの共用施設を備えた25、26階には、小規模対応のオフィススペースも計画しております。
新たな時代の要請に応え、セキュリティや防災対策にも配慮した高スペックかつバラエティ豊かなオフィスを提供します。

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1階 エントランス
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スカイロビー

○国際性豊かな立地に相応しい住宅で新たな都心型ライフスタイルを提案
複合棟下層部(3~24階)には、権利者等の自己居住住宅とあわせて国際性豊かな立地特性や多様なライフスタイルに対応した住宅として、当地区の立地に相応しい高品位な都心型住宅(住宅棟分含め約280戸)を整備します。
奥行き4mのバルコニーや、1ルーム~5LDKからなる多彩な住戸構成を用意し、またハイクオリティかつ流行にとらわれず飽きのこないデザインを採用して、森ビルが手がける住宅ブランド「MORI LIVING」の新たなスタンダードとなります。また、居住者専用のパーティールームや、スパ&フィットネスなど、新たな都心型ライフスタイルを提案する付帯施設も備えています。

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パーティールームイメージ
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専用部イメージ

事業概要

所在地 :東京都港区虎ノ門5丁目、六本木1丁目
事業名称:虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業
施行者 :虎ノ門・六本木地区市街地再開発組合(理事長 浜田 尚子)
参加組合員:森ビル株式会社
設計者 :【設計統括】
                  森ビル株式会社 一級建築士事務所
                【協力デザイナーおよび協力設計者】
                (外装デザイン)ペリ・クラーク・ペリ・アーキテクツ
                (建築)株式会社入江三宅設計事務所
                (設備・電気)株式会社建築設備設計研究所
                (構造)株式会社山下設計、株式会社大林組
                (住宅共用部デザイン)有限会社カザッポアンドアソシエイツ
                (住宅専用部デザイン)有限会社ジーツーデザインスタジオ
                (外構デザイン)株式会社タウンスケープ研究所
                (照明デザイン)有限会社内原智史デザイン事務所
                (サインデザイン)株式会社ジイケイ設計
施工者 :(建築工事)株式会社大林組
                (電気設備工事)株式会社きんでん
                (空調工事・給排水衛生工事)三建設備工業株式会社
                (昇降機設備工事)株式会社日立製作所
施行区域:約2.0ha
敷地面積:<C-1地区>約15,370m² <C-2地区>約510m²
延床面積:約143, 720m²
階 数 :(複合棟)地上47階、地下4階 ※住宅3~24階、事務所25~47階
                (住宅棟)地上6階、地下2階
高 さ :(複合棟)198.9m ※尾根道レベル(TP30)より
                (住宅棟)23.915m ※尾根道レベル(TP30)より
住戸数 :(複合棟)250戸
                (住宅棟)33戸
主要用途:事務所、店舗、住宅

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配置計画

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断面図