六本木ヒルズ:コンセプト・開発経緯

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建築・デザインコンセプト

  • 建築・デザインコンセプト

コーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツ
ウィリアム・ペダーセン(William Pedersen)

六本木ヒルズ森タワー グランド ハイアット 東京 けやき坂コンプレックス

  • ウィリアム・ペダーセン
Q. このプロジェクトで、最も苦労したところ、印象に残ることは?
A. 我々がもっとも苦労した点は、オフィスタワーの巨大な胴体にとても日本的に見える特有さを出すことでした。細く高いタワーはもともと美しいのでデザインはしやすいものです。上海環球金融中心はそうした例の一つです。一方、六本木ヒルズ森タワーは、それにくらべると建物のプロポーションからいっても、力士にたとえられるでしょう。オフィスタワーの胴部を曲線状の何枚ものプレートで覆いましたが、それは武士の鎧兜(samurai armor)の層状になっているところからヒントを得ました。我々西洋人からすると、六本木ヒルズ森タワーは日本風に感じます。日本人のみなさんにとってもそのように見えるといいのですが。
Q. 六本木ヒルズの建築で、人々には特にどの部分に着目してもらいたいとお考えですか?
A. 六本木ヒルズのユニークな面は、すべての個々の部分がお互いに与える影響によってとてつもない都市の生命力をつくりあげたということです。それぞれの部分(オフィス、ホテルそして映画館)を独立した施設として見るのではなく、むしろより大きな全体を構成する要素のひとつとしてみていただきたいと思います。

ジャーティ・パートナーシップ・インターナショナル
ジョン・ジャーディ(Jon Jerde)

メトロハット ヒルサイド ウエストウォーク ハリウッドビューティープラザ

  • ジョン・ジャーティ
Q. このプロジェクトで、最も苦労したところ、印象に残ることは?
A. 最も思い出深かったことと言えば、ずいぶん長かったとはいえ、一見不可能とも思える程のこの巨大なプロジェクトが、ついに完成したということです。ナイキの広告「Just Do It」(やるだけだ)とまさに同じように、森ビルは「Just Did It」(やり終えた!)という感じです。六本木ヒルズという非常に入り組んだ、そして挑戦しがいのあるプロジェクトで、世界で最も優秀なデザイナーの何人かの方々と働き、コラボレーションできたことはとてもすばらしい経験でした。
Q. 六本木ヒルズの建築で、人々には特にどの部分に着目してもらいたいとお考えですか?
A. 六本木ヒルズは、人と自然、経済と社会、過去と未来の合流点であると思います。ヒルサイドは、自然や庭園が下に広がり、その上部や周辺にはデッキやビル、その他の建物がありますが、物理的にもまた表現的な意味においても、この合流点をうまく通り抜けるという、このプロジェクトにおいて常に活気ある役割を担っています。他の全てのものに触発された、ヒルサイドの最終的な仕上がりに森ビルはとても満足しています。言い換えると、それは他のすべてのもの、ウエストウォークやメトロハット、そしてけやき坂通りまでがヒルサイドに触発されたということなのです。
ヒルサイドは最も重要な最初の発想であったかもしれませんが、六本木ヒルズ全体はそれぞれの部分のほどよい相互作用と組織的な働きに基づいて出来上がっています。交響曲のように、他よりも強く、強調される音符や音節があるでしょう。しかし、全体なくしては交響曲にはなりえないのです。六本木ヒルズは、全体を体験してのみ、初めて本当に味わったといえるでしょう。
六本木ヒルズは現存の六本木地域と同様に隣接する地域と結びつき、東京のより大きな融合へ向かおうとしているのです…つまり完全な調和へと。森ビルはこの「全体」というパワーが六本木ヒルズの最終的な財産になるものと信じています。そして究極的にはこれこそが、森ビルが人々に気づき、本当に着目してもらいたいと望んでいることなのです。

コンラン・アンド・パートナーズ
マネージング ディレクター リチャード・ドゥーン(Ricahrd Doone)

六本木ヒルズレジデンスA~D 六本木ヒルズゲートタワー

  • リチャード・ドゥーン
Q. このプロジェクトで、最も苦労したところ、印象に残ることは?
A. コンラン・アンド・パートナーズが六本木ヒルズのプロジェクトに携わったことは、非常にすばらしい経験で、一つひとつの記憶に残る出来事は語りつくせない程です。しかし今回のプロジェクトで最も大切な想い出といえば、我々のデザイン実現のために、そして最高のプロジェクトを創り上げるために多大な貢献をしてくれた全ての日本人スタッフの皆さんとともに働いたことという喜びにつきます。森社長とのプレゼンテーションに始まり、構造のチームとの石材の詳細についての打ち合わせに至るまで、このプロジェクトに関わったすべての人たちを森ビルは決して忘れないでしょう。
Q. 六本木ヒルズの建築で、人々には特にどの部分に着目してもらいたいとお考えですか?
A. コンラン・アンド・パートナーズは、六本木ヒルズのプロジェクトに多岐に渡って参加するという幸運に恵まれました。その中には、住宅棟、六本木ヒルズスパ、六本木ヒルズクラブそしてゲートタワーがあります。森ビルのすべての仕事において、質の高い素材を用い、ディティールのすべてに配慮しつつ、明瞭さとシンプルさを追及しました。
プロジェクトの中の森ビルが手掛けたそれぞれのエリアは表面的には同じようには同じようには見えないのですが、しかし森ビルのデザインしたものには一貫した姿勢があるのです。その部分を是非、六本木ヒルズを訪れ、また住み人々に楽しんでいただければと思っています。

槙総合計画事務所
代表 槙 文彦(Fumihiko Maki)

テレビ朝日

  • 槙文彦
Q. このプロジェクトで、最も苦労したところ、印象に残ることは?
A. テレビ朝日新本社は東京の中心部にありながら、建物の周辺に潤沢な外部空間をとる事の出来た珍しいケースです。これも再開発計画という、既存の街区に制約されない建物配置が産み出した恩恵の一つではなかったかと思います。 但し、テレビ関係のサービスのアプローチはどうしても環状3号線と新しく出来たけやき坂通りの交差点でなければならないという制約があり、都市デザイン上、どのようにこのコーナーを処理するかが一番苦労したところだったと思います。当然サービス・コートをなるべく見せない、また、たとえ見せなくてはならなくても、どのようにエレガントに見せるかが我々の課題であった訳です。
長さ50m、高さ5mのコンクリートの壁ではつまらない。宮島達男“カウンター・ヴォイド”は素晴らしいアート・ワークで、まさに禍を転じて福となすといった感じでした。また、エントランス・コートの方から、このサービス・コートもあまり見せたくない。我々がデザインした“水のカスケード”も同じような意味で成功したと思っています。
一番気に入っている処といえば、やはり弓形の大きなアトリウムかもしれません。北に面していながら明るく、庭園の緑も濃い。僕は、メトロポリスには勿論賑わいも大事ですが、一人ひとりが孤独を楽しめるという事も同じ位必要だと常に思っています。大きい割にそうした静かさに満ちた空間を演出出来たと信じています。そのうち六本木ヒルズも、もう少し落ち着いてくると、更にアトリウムの雰囲気もよくなると期待しています。
Q. 六本木ヒルズの建築で、人々には特にどの部分に着目してもらいたいとお考えですか?
A. 六本木ヒルズの成功している部分についての感想という問いですが、第1に、僕はヒルズという地形が今回大変うまく使われたところにあると思います。アークヒルズでは後方の丘の部分はこの計画の主役になっていないのと比較すると、六本木ヒルズの魅力は明らかです。僕は昔、若い頃、始めて地中海沿岸のヒルタウンを訪れる機会があり、その魅力にずっととりつかれてきました。人々は見上げ、見下ろすという単純な関係があるだけで、そこに行こうという衝動にかられます。
第2はけやき坂通りです。日本人は坂道が好きです。そして今度の場合、緩やかに曲がっているところがいい。表参道がバロック的だとすると、けやき坂通りはもっと日本人の好みにあっています。完成直前に移植されたけやきも素晴らしく育っています。アリーナも含め、このように豊かな外部空間を設けることが出来た背後に、再開発に与えられた総床面積が、中央の一本の森タワーに出来るだけ集約された恩恵にあずかるところが大きかったのではないでしょうか。

グラックマン・マイナー・アーキテクツ
リチャード・グラックマン(Richard Gluckman)

森美術館 ミュージアムコーン

  • リチャード・グラックマン
Q. このプロジェクトで、最も苦労したところ、印象に残ることは?
A. 六本木ヒルズの中の広大な商業エリアの中にある森アーツセンターをデザインする上で最もチャレンジングだったことは、このプロジェクトの主要な要素となるアーツセンターのために、特徴がある建築的独自性をもたせるということでした。この点について、森ビルは二つの部分から取り組みました。
最初の点は、このプロジェクトの文化的な場所への入口とわかるような象徴的な建物の必要性に気づいたことで成し遂げることができました。ミュージアムコーンというこの建造物は、歩行者の動きを集約する地点となり、広場の上にある美術館の入場階への昇り口となっています。二つめは、森タワーの上層階に独立した「建物の中の建物」をつくるということでした。美術館を通っていく人々の流れとその方向を定めるという大切さについても森ビルは気付いていました。そのため、ビルの主要部分に沿って美術館を作り、建物の重要な視覚的な軸をオープンにしたので、来館者の流れがはっきりと分かるようになりました。美術館の上の階では、美術館の順路を一旦遮断し、来館者そしてアーティスト両者に、外の景色を見て自らの位置を再認識させることがとても重要だと感じました。これは建物の長い両軸の端にある二つのガラスのギャラリーによって実現できました。
Q. 六本木ヒルズの建築で、人々には特にどの部分に着目してもらいたいとお考えですか?
A. 森ビルは、このミュージアムコーンをとても誇りに思います。これは構造設計の担当者や森ビルの社員の方々、そして森ビルの会社の照明デザイナーたちの見事なコラボレーションのたまものです。皆様にはぜひ、細部へのこだわり、すばらしい建築構造、そして夜のライティングの極めて優美な効果を味わっていただければと思います。また、美術館や展望台に使われている、さまざまな素材の使い方も来館者の方々に楽しんでいただきたいと思います。

隈研吾建築都市設計事務所
代表 隈 研吾(Kengo Kuma)

六本木アカデミーヒルズ

  • 隈研吾
Q. 設計部分で、最も苦労したところ、印象に残ることは?
A. 森タワーそのもののスケールが大きく、1フロアが既に「都市」のスケールを持っていたため、「建築」ではなく「都市」デザインとしてのスケール感を大事にしました。つまり、“通路”をつくるのではなぐ“ストリート”を創る都市デザインとして行った点が印象に残っています。
またアカデミーヒルズは“ストリート”を内包するような「都市的」な空間でありながら、一方では「書斎」というようなとても人間的・個人的なスケールのスペースも同時に併せ持つ多層的な空間であり、その二つの異なる感覚をひとつの空間に両立させるという点が苦労したところでもあります。
さらに機能が重なりあうデザインができたことも大変印象深いところです。アカデミーヒルズの施設はそれぞれ単一機能ではなく、会議室でありながら図書館の機能をもっていたり、またロビーでありながら書棚のあるライブラリーであるというような、いくつかの機能が重なる複合性が実現できたところが面白いと感じるところでした。
Q. 完成した現在、一番気に入っている部分は?
A. 全体で200mにもおよぶ本棚の並ぶ通路。その本棚の後ろからは外の光が入ってくるようにデザインしたのですが、並んだ本の隙間から外の光が入ってくる感じを楽しんでいただければと思います。
Q. 完成した六本木ヒルズに対しての印象は?
A. 今までの都市開発は「広場」と「タワー」によって創られてきましたが、六本木ヒルズはそれにストリート性、つまり賑わい感、人の流れのようなものが加わった、世界でも類のない先進的な事例だと思います。ストリートそのものは生き物だったと思うので、これから徐々に人間臭さが加わり、もっと魅力的な街になることを楽しみにしています。

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