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04月のゲスト

音楽家
坂本龍一さん

2010年04月23日

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坂本龍一から次の世代に伝えたいこと(第4回)

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東京で生まれ育ち、ニューヨークを拠点に世界中で活躍している音楽家の坂本龍一さん。現在もローマでインスタレーション展示「LIFE- fii...」(ライフ・エフアイアイ...)を開催中です。世界の様々な都市を舞台に活動する坂本さんの話からは、都市やそこで暮らす人々に対する想い、考え方が浮かび上がってきました。
「もっと木を」というコンセプトで森の保守などを行う『more trees』や、音楽に携わる人々の共有地を目指すレーベル『commmons』、そして中学生や高校生を対象にワークショップを行いながら進行するテレビ番組『“スコラ”坂本龍一 音楽の学校』など、多岐に渡る活動のひとつひとつには、坂本さんのその考えを背景にした、次世代に伝えていきたい想いが込められています。

第4回 都市の面白さと、求めるもの
六本木ヒルズのランドソング『the Land Song −music for artelligent city−』

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六本木ヒルズが完成する前に依頼されて、『the Land Song −music for artelligent city−』※1を作りました。都市のテーマソングをつくるというイメージでしたね。街ができる前に構想を聞いて一つの街のようだと感じたので、その要素をたくさん織り込んでいきました。
できあがってみたら、居住スペースもあり、屋上緑化もあり、並木もあり、割と狭い空間の中で色々な機能が揃っていて、都市の形態としては理想的なのではないでしょうか。さらに望みを言うならば、地産地消のように、生産もなるべく近いところで行われるようなエコシステムを持った都市を目指してほしいです。
都市というのは、そこに住む人間やそこを使う人間が作っていくものなので、設計する方がどれだけ頭を使って綿密に作っても、思うままにはいかない。そこが面白いところだと思います。六本木ヒルズが実際にできあがって、何千万人と人が出入りするようになり、元の構想からどう変貌していっているのか。僕はそこに興味があります。東京に滞在しているときは、六本木ヒルズの界隈を訪れることが多いです。自分の曲が聞こえてきちゃうと恥ずかしいですね。単に本当に照れくさくて逃げるようにその場を立ち去ってしまうこともあります。

※1 2003年4月25日、六本木ヒルズグランドオープンに合わせて発表された、坂本龍一さんによる六本木ヒルズのテーマソング

日本に滞在する際に訪れるのは

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    オープンしたころの六本木ヒルズ

今回は、ローマを出発してパリ経由で東京に来たので、六本木を歩いていてもまだ頭の中は半分くらいイタリアの気分。「あれ、僕どこにいるんだっけ」という感じでした。
いつもいろいろなことに興味があって、忘れちゃうこともあります。例えばインターネットで本を買って、それが届くころには忘れていたり・・・そんな感じだけれど、わりと長く続いているのは、縄文文化や、古代史、人類学、生物学、地球史といったもの。一時は縄文時代の遺跡に凝って、実際に五か所ほど足を運びました。日本の縄文と一言で言っても、地域によって随分違います。例えば、東北と関西じゃあ全然様式が違う。同じ部族が作ったものとは思えないような美意識の違いが具体的に見えて面白いんですよ。
あとはご多分にもれず、最近は温泉に行きますね。それと京都、奈良。やはり歳並みにそういうものが好きになってきました。若い頃はあまり興味なかったんですが。よくお寺とか訪れたりしますよ。

1952年東京生まれ。東京芸術大学大学院修士課程修了。1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年、 細野晴臣、高橋幸宏と『YMO』を結成。1984年、自ら出演し音楽を担当した『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞他を、映画『ラストエンペラー』の音楽でアカデミー賞、グラミー賞他受賞。環境・平和問題に言及することも多く、アメリカ同時多発テロ事件をきっかけとした論考集『非戦』を監修。自然エネルギー利用促進を提唱するアーティストの団体artists'powerを創始するなど、活動は多岐にわたっている。 1990年より米国、ニューヨーク州在住。avexと共に『commmons』を設立。2010年4月より、NHK教育にて音楽レギュラー番組『“スコラ”坂本龍一 音楽の学校』がスタート。

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