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06月のゲスト

作家
原田マハさん

2009年06月05日

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展覧会と小説を作ることで見えた都市の姿(第1回)

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第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、2009年に映画化された『カフーを待ちわびて』。著者である原田マハさんは、長くアートの世界に携わり、森美術館の設立にも関わっていた。好奇心が強いと自身を分析し、小説でも、美術の世界でも「まだまだ伝えたいことがたくさんある」と語る彼女は今、世界を、そしてその中で東京を、どのように見つめているのだろうか。

第1回 日本ラブストーリー大賞受賞『カフーを待ちわびて』が映画化されて

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『カフーを待ちわびて』が、第1回日本ラブストーリー大賞をいただいたのが2005年の末だったんです。日本ラブストーリー大賞というのは、第1回のとき受賞作が映画化されるというおまけがついていたのですけれど、私はこの小説を書き始めたときには、そもそも日本ラブストーリー大賞の存在も知りませんでした。どこかに応募するというつもりもなく書いていたんですね。本当に、「知り合いの編集者とか見てもらえばいいかな」くらいの感じで書き進めていたのですけれども、あるとき旅先で新聞を読んでいましたら、その新聞に「日本は今ラブストーリーのブームだ。日本ラブストーリー大賞というのが創設された。なお受賞者は映画化される」という一文がついていたんです。それで、「あっ、これだ」と。
なぜかこの小説を書きながら、頭の中でずっと映像が流れている感じがあって、「これが小説になって出版されたら、映画になったらいいんじゃないかな」と勝手に妄想を膨らませていたので、その新聞の記事を見た途端、「これだ」と思って。ホテルの新聞だったのですけれど、ビリビリッて破いて持って帰って、そこから応募するというふうに考え直して、書き直したというのが、そもそもの始まりだったんです。
そのときの妄想が、こういう形で出版もされて文庫にもなって、映画にもなったというのが、何かこう、妄想って現実になるんだっていうのを、ちょっとびっくりしながら見ているという感じですね。

私はもともと、森美術館の準備室に勤めていたんです。「本当にすばらしい、都心のオアシスのようなところだな」というイメージがあったんですけれど、フリーランスになってからは、その真逆の世界というのにもちょっと惹かれました。
それで、沖縄を舞台にした離島の、携帯もメールも、インターネットも何にもない世界というのをちょっと書いてみたいなというふうに思っていたんですね。都心で暮らすということと全く関係なく、離島で暮らすという、そういうライフスタイルがあってもいいかなというふうに思ったので、あえて書いてみたという感じはありますね。

作家/東京都出身。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒。総合商社、森美術館準備室を経て、2002年独立。2003年より国内外の展覧会、シンポジウム、アートコーディネートを手がける。2003年より、カルチャーライターとして執筆活動開始。
2006年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞受賞。
著書に、『一分間だけ』『#9』『花々』(以上宝島社)、『普通じゃない。』『さいはての彼女』(以上角川書店)、『ごめん』(講談社)、『おいしい水』(岩波書店)、『キネマの神様』(文藝春秋)。

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