森ビル株式会社

基本的な考え方

森ビルは、従業員の健康と安全が企業の持続的な発展にとって重要な経営課題であると捉え、従業員の健康維持・増進、安全確保のための施策を積極的に行っています。
また、外注先・施工会社などをはじめ当社の事業にかかわるステークホルダーにおいても安全確保を徹底するように要請します。
健康と安全に関する取り組みについては、常により良いものを目指し、継続的に改善を進めます。

健康経営宣言

森ビルは、社員ひとりひとりが心身ともに健康で、意欲的に仕事に取り組めるよう、従業員などの健康管理を経営戦略として捉え、健康経営を推進してまいります。
社員の健康維持・増進を図ることで、個人と企業双方の活力とパフォーマンスを高め、さらなる成長・発展につなげます。
さらに、「都市を創り、都市を育む仕事を通じて人々や企業を元気にする」という当社の社会的使命を果たすため、住む人、働く人、訪れる人が心身ともに健康で、いきいきと過ごすことができる都市づくりをより一層進めてまいります。

「健康経営優良法人2024(ホワイト500)」に認定

健康経営優良法人2023(ホワイト500)

地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みを元に、特に優良な健康経営を実践している企業として「健康経営優良法人2024(ホワイト500)」に認定されました。「ホワイト500」の認定は今回で3年連続となり、総合評価において、初めて業種(不動産業)トップのスコアを獲得しました。

推進体制

森ビルでは、健康と安全に関してそれぞれ以下の体制で取り組みを進めています。
従業員の健康に関する状況や取り組みについては健康経営推進責任者である代表取締役社長、安全に関する状況や取り組みについては管理事業部担当取締役が管理監督を担っています。

健康経営推進体制

当社では、代表取締役社長を健康経営推進責任者として、経営的な視点からグループ全体の健康経営を推進しています。また、人事部・保健室・産業医が健康経営推進事務局として、働き方改革推進委員会や従業員代表、衛生委員会と連携して従業員の健康維持・増進のための様々な施策を展開しています。さらに、当社が加入する東京不動産業健康保険組合とは、健康課題を共有し、施策の協議をするなどの連携をしています。

健康経営推進体制

安全管理体制

当社では、設計・監理、施工管理、施設運営・管理などの各部門の管掌役員を責任者として、従業員および請負業者の安全管理、労働災害の防止を行っています。
また当社独自の取り組みとして、取締役を中心に構成された安全会議を設置するとともに、管掌役員、社内の各部門・グループ会社から任命された対策委員と事務局で構成された安全対策室が定例会議を開催し、当社およびグループ会社の安全に関する取り組みについての共有や安全対策の協議、円滑な安全対策の実施推進、従業員教育や啓発活動を行っています。

目標

健康に関する目標

森ビルは、「生活習慣病予防」「メンタルヘルスの向上」「働き方の見直し」を重点取り組み項目として掲げ、以下の目標を定めています。

重点取り組み項目 目標指標 2023年度
目標
2022年度
実績
生活習慣病予防 生活習慣病予備軍の減少
*特定保健指導対象者率
13.0% 14.8%
メンタルヘルスの向上 従業員の元気度
*ストレスチェックにおける結果
偏差値53.0 偏差値51.2
測定人数:1552人
回答率:96.2%
働き方の見直し 従業員の生産性向上
1.アブセンティーイズムによる損失
*欠勤日数計/全社員人数
0.50日 1.35日
2.プレゼンティーイズムによる損失
*WHO-HPQ調査による
30.0% 31.9%
測定人数:1552人
回答率:96.2%
3.ワークエンゲージメント
*ストレスチェックにおける結果
偏差値54.0 偏差値52.2
測定人数:1552人
回答率:96.2%

具体的な目標と進捗状況

健康経営戦略マップ参照。

安全に関する目標

当社では、安全に関して以下の目標を定めています。

重点取り組み項目 目標指標 2023年度
目標
2022年度
実績
休職者数 傷病を原因として休職をした人数 5人以下 10人
労働災害件数 通勤災害を除く労働災害の件数 0件 3件

健康と安全に関するリスク評価の実施

健康に関するリスク評価の実施

森ビルでは、社内横断的な組織として、各部署から選任された衛生委員による「衛生委員会」を設置し、健康および安全に関する意見交換を行い、社内への提言、啓発を行っています。産業医や保健室スタッフによる講義や衛生委員がお互いの職場を点検する一斉職場巡視を定期的に行うなど、職場の安全・快適性維持にも取り組んでいます。

安全に関するリスク評価の実施

当社はOHSAS18001の認証は取得していないものの、新規物件の建設や既存物件の改修の際に、安全面を含むオペレーションに関する評価を行っているほか、設計・監理、施工管理、施設運営・管理など各部門において、請負業者とも連携し建設現場や管理現場を定期的に巡回、モニタリングを行っています。

社員の健康維持・増進に向けた取り組み

保健室・マッサージ室の設置

従業員の心身の健康維持・増進をサポートするため、社内に設置した保健室では、健康診断やストレスチェックの実施とそのアフターフォロー、心身の健康に関する従業員からの相談受付などに取り組んでいます。昨今では、がんやその他の病気の治療をしながら就業継続を希望する従業員に対して、本人と産業医や保健室スタッフ、人事部、所属部署が連携し「治療と仕事の両立」支援も行っています。
また、障がい者雇用も兼ね、従業員が運営するマッサージ室を2004年から社内に開設しています。当社の従業員は就業時間中に施術を受けることができ、デスクワークなどによる肩こり、腰痛の緩和やリフレッシュに活用されています。

保健室内面談室
保健室内面談室
マッサージ室
マッサージ室

心身の健康状態の把握

健康診断

定期健康診断は、実施率向上に取り組んだ結果、2018年度以降健診受診率100%を継続しています。健診内容についても法定項目に加え、30歳以降は年齢に応じて、生活習慣病健診、人間ドックを実施しています。また、男女ともにがんの早期発見に向けた検査項目を追加しており、男性に対しては前立腺癌腫瘍マーカー検査(PSA)、女性に対しては子宮がん検診、マンモグラフィーもしくは超音波による乳がん検診を実施しています。

ストレスチェック

ストレスチェックは法制化以前(2013年)から、従業員ひとりひとりのセルフチェックを実施しています。また、全社の状況および組織診断結果は、毎年、役員会議の場で報告・共有することで、より良い職場環境づくりに向けた取り組みを継続して実施しています。

健康課題改善および予防に向けた取り組み

心身の健康に関する従業員への啓発活動

管理職に向けて安全衛生および労務管理などに関する研修を実施しています。また、メンタルヘルスのセルフケア、ラインケアの促進に向けて、全従業員に対して管理職・非管理職それぞれに対応したメンタルヘルスケアに関するe-learningを実施しています。

禁煙促進

従業員の喫煙を健康課題の一つと捉え、禁煙促進に取り組んでいます。具体的には、禁煙を促進するセミナーの開催や禁煙外来治療費・禁煙補助剤の購入費の補助、禁煙アプリの提供を行っています。2020年度のセミナーでは、新型コロナウイルス感染症とタバコの関連についても紹介し、禁煙に向けた意識向上を図りました。今後も喫煙率のさらなる低下を目指して、取り組みを進めていきます。

運動促進

社内活動を行っている部活動が作成した、手軽に実施できるストレッチ動画の配信を定期的に行っています。在宅勤務時の運動不足解消の一助にもなっています。

ストレッチ動画の配信
ストレッチ動画の配信

女性の健康増進

生産性を向上し、よりいきいきと働くためには、従業員のヘルスリテラシーの向上が重要であり、特に女性の健康への配慮が不可欠と考えています。当社では、女性ホルモンの働きや年齢による身体の変化について正しい知識を持つとともに、PMS、生理痛、更年期など、女性特有の不調の原因やその対処法を知り、日常の体調や生活習慣について振り返る機会を提供しています。

2022年度はFemtechセミナーを開催し、当日は男性社員含め約100名の社員が参加しました。事後に実施したアンケートでは、セミナーの満足度は5段階中平均4.1となりました。また、約75%の社員がセミナーを通じて意識の変化があったと回答しました。

今回のセミナーを通して、新たな気づきや意識の変化はありましたか

EAPカウンセリングの実施

外部機関のカウンセラーによるEAPカウンセリングサービスを2012年より導入しています。従業員だけでなくその家族からの相談にも対応しており、心身の健康だけでなく、育児、介護など、様々な相談受付窓口として活用されています。

感染症などのグローバルな健康課題に対する取り組み

感染症などのグローバルな健康課題に対する取り組み

森ビルでは、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大をはじめ、HIV(エイズ)、結核、マラリアなどの感染症による健康問題を世界的に重要な課題と捉えています。
従業員が感染症に対する正しい知識を身に付け、予防できるように、海外赴任する駐在員および帯同家族に対して、事前に健康診断を実施し、行政の検疫所が渡航先別に推奨する感染症の予防接種を実施しています。
さらに、現地医療を受ける際に利用可能なサポートサービスも提供しています。
また、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2021年6月~9月と2022年3月~4月にワクチンの職域接種を実施し、当社グループの従業員・家族に加え、テナント企業、居住者、商業店舗スタッフなども対象としました。
今後も地域社会を含めた感染症対策に従事していきます。

安全に関する取り組み

サポートクルー活動

安全対策室では従業員教育や啓発活動の取り組みとしてサポートクルー活動などを実施しています。毎年延べ1,000名程度の社員が参加しています。

  • サポートクルー活動:当社では、従業員の安全意識向上と当社施設が「お子様からお年寄りまで、誰にとっても安全で楽しい場であること」を目指して、お客様のご案内や車いす体験を行う安全教育研修を実施しています。

実績データ

健康に関するデータ(森ビル株式会社)

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
健康診断受診率 100% 100% 100% 100% 100%
ストレスチェック受検率 91% 95% 95% 98% 96%
喫煙率 17.6% 17.0% 15.6% 13.3% 13.0%
休職者数(人) 8 9 6 5 10
  • 健康診断受診率・ストレスチェック受検率・喫煙率・休職者数について、正社員および契約社員が対象

安全に関するデータ(森ビル株式会社)

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
労働災害件数(通勤災害除く) 1 8 2 1 3
うち死亡件数 0 0 0 0 0
うち休業件数 0 1 0 1 1
休業日数 0 6 0 1 3
休業災害度数率 0 0.31 0 0.29 0.27
月平均時間外勤務時間数※1 28.6 26.5 22.7 26.9 27.2
労働安全衛生に関する研修受講者数※2 46 57 49 44 53
  • 1 月平均時間外勤務時間:所定時間外労働時間で算出
  • 2 労働安全衛生に関する研修:新人研修・新任管理職研修
  • 労働災害件数・休業災害度率・月平均時間外勤務時間数について、正社員および契約社員が対象