高度利用実現のため、5.6haを1つの街区としてまとめ、開発前の折れ曲がった狭小な道路(総面積2,000m2)を幅員12m及び8mの外周路(同7,000m2)として整備しました。旧来の地区内の区道はすべて廃止し、新たな外周道路を新設区道としています。なお、この外周路は、今や名物とされるほどの桜並木に成長し、開花の時期に多くの人々を楽しませています。
高速道路の走っている幅員40mの放射一号線沿いには、超高層でかつボリュームのある事務所とホテルを並べ、日照条件の良い南側の丘の上には、6階、21階、25階の住宅、計3棟を配置しています。住宅棟と事務所棟の間には広場をつくり、その広場に面する部分、及び地下にはテレビスタジオを置きました。また、住宅棟の北側には低層のコンサートホールを広場に面する形で配置し、北側隣接の既存住宅への環境に配慮しています。幹線沿いの商業系のゾーンは容積を高く積み(事務所・ホテル)、南側の文化・住宅ゾーンは容積をおさえるという「団地の総合的設計の手法」によるいわゆる「容積の移動」を行っています。
また当地区は丘陵地にあり、地域内に20m位の高低差がありますが、その差を利用して段々畑状の広場をつくっています。この立体的広場や、ペデストリアンデッキの整備による歩行者路構成によって55%にも達する公開空地率を確保することが可能となりました。
面的開発では、街区全体の統一性と各建物の個性とのバランスが重要となりますが、街としての骨格、アークヒルズという街のアイデンティティーを保ちながら、各建物はその個性に応じた個性を発揮できるようにと考えました。
時代の変遷と共に、人々のニーズや生活、経済活動は変化します。それに伴い、都市にも変貌が要請されます。街が輝きつづけるために、それらを敏感にとらえ、リニューアルしてゆくことは重要な行為です。街を構成するハードである建築物の、その枠組みを変えることは困難なことでありますが、街の機能の多様化を求めてソフトを変化させることは困難なことではありません。アークヒルズでは完成後も、多くのリニューアルを行っています。
1996年、多様化したオフィスワーカーへの求めに応じ、最新機材を完備したカンファレンス施設「アカデミーヒルズ」を開設し、六本木ヒルズへ継承しています。周辺居住者も対象にした「アークガーデニングクラブ」の発足。1998年、食文化の変化に対応し、共用施設も含めた飲食店舗の大規模リニューアル。住環境の整備として「アークヒルズ・スパ」のリニューアル。画一的であった緑化をより豊かで身近なものへというコンセプトのもと、ガーデン等の充実。そしてオフィスワーカーの執務環境向上を目指し、OAフロアの敷設、共用部デザインの刷新、セキュリティの強化など全面的なリニューアルを行いました。
都市リニューアルの先導的役割を果たし、時と共に成熟を深めるアークヒルズは、今なお進化し続け、止まることを知りません。