森ビル株式会社は、この度、「見える化を活用したテナントビルにおける空調デマンドレスポンス制御」の取組みが評価され、第24回地球環境大賞※1・2(主催:フジサンケイグループ)において「国土交通大臣賞」を受賞しました。

従来困難であったテナントビル全体での空調使用電力のピーク抑制実現

この度受賞した「見える化を活用したテナントビルにおける空調デマンドレスポンス制御」の取組みは、全国にストック量が多く、今後、その省エネ対策が重要とされる中小テナントビルにおいて、オーナー等が管理する共用部のみならず、従来困難であったテナント専用部における電力デマンド抑制の実現可能性を調査検討したものです。対象ビル2棟の空調システムをテナント毎に制御できるよう再構築したうえで、テナント毎の電力ピーク抑制目標値を設定、既存の見える化システムと連携させ、実績値が目標値に近づいた段階で警報メールを配信し、省エネ運転を実施しました。また、協力テナントに対し、社員へ各種優待券等を進呈する方法でインセンティブの仕組みも構築することで、テナント側のより能動的な行動を促しました。
その結果、テナントの夏季・冬季の電力デマンドを最大20%抑制することに成功。今後、ストックされているテナントビルに普及させていくことで、ピーク抑制、省エネルギーの大きな効果が期待されます。

生物多様性に配慮した持続可能な社会の実現を目指して

当社は、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズに代表される都心部の大規模再開発事において、ハード・ソフト両面でトップレベルの環境性能の確保と維持を目指すとともに、既存の中小規模ビルにおいても、耐震改修および設備性能向上による総合リノベーションを実施し、環境配慮を実践しております。今後も引き続き、当社が理想とする都市づくり「ヴァーティカルガーデンシティ(立体緑園都市)」とその運営を通じて、「都市と自然の共生」「都市の低炭素化」「資源循環」を推進し、生物多様性に配慮した持続可能な社会の実現に取り組み、東京のさらなる魅力向上に貢献してまいります。

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テナント専用部でのデマンド制御の様子

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調査対象ビル入居テナントの空調電力制御効果(夏季)

※1 地球環境大賞(主催:フジサンケイグループ、後援:経済産業省、環境省、国土交通省 他)は、1992年、「産業の発展と地球環境との共生」をめざし、産業界を対象とする顕彰制度として創設されたものです。地球温暖化防止や循環型社会の実現に寄与する新技術・新製品の開発、環境保全活動・事業の推進と21世紀の社会システムの探求、地球環境に対する保全意識の一段の向上などの面で顕著な成果を上げ、社会の模範となる功績を収めた企業、自治体、学校、市民グループなどを表彰しています。
※2 当社は、第17回「地球環境大賞」(2008年)でも「街づくりを通じた都市緑化の継続的な推進」が評価され、「国土交通大臣賞」を受賞しており、この度2回目の受賞となります。