母親になり、あらためて知ったクラシック音楽の素晴らしさ(第3回)
第3回 日本ならではの、クラシック音楽の届け方
今までに本を3冊出しています。一番最近出したのは『高嶋ちさ子の名曲案内』という本で、クラシックの名曲の解説を書いている本なのですけれど、これを書いたときに、「いつかこれをコンサートでやりたいな」って思っていたんです。オーケストラを使って、私が好きな曲のサビだけを演奏する。そして、そのサビを演奏する前に、私が「この曲はこういう曲です。では、お聞きください」と解説をするというコンサートをしたくて。そうすると、いい曲を20曲だったり、30曲だったり、皆さんにお聞かせすることができる。そういう本の目次のようなコンサートをやりたいなと思っていました。それがようやく来年の2月ぐらいに実現できるんです。
ヨーロッパの方たちにとってクラシックの音楽は、自分たちの国の大切な宝なので、それをいたずらにアレンジしたり面白半分に紹介することを、すごく嫌うんですよね。けれども、日本人にとってのクラシック音楽というのは他の国の音楽なので、いじることにそんなには抵抗がないような気がします。ですから、これだけ色々な企画の楽しいコンサートがある国というのは世界中どこを探しても日本だけ。『のだめカンタービレ』だったり、ああいうものが流行って受け入れてもらえるというのは、日本特有のことだと思うので、この波に乗っていきたいなと思っています。
誰でもクラシックの名曲を口ずさめる世界に
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CDアルバム「高嶋ちさ子 plays ジブリ」
私は36年間ヴァイオリンをやってきたのですけれども、クラシック音楽って本当に飽きないし、ヴァイオリンって本当に奥が深いんです。でもこれだけ素晴らしいクラシック音楽やヴァイオリンも、一般にはあまり馴染みがなくって、一般の人はサッカーや野球といった運動だとか、ポップスだとか、そっちのほうにどうしてもいっちゃう。
それはやっぱりクラシックをやっている人たちのアピール度が足りないんだって思ったんですね。だから、もっとクラシックの名曲がすばらしいということをアピールすれば、聞く側も、「おっ、じゃ、ちょっと聞いてみようかな」という思いになって、そのうち世界中の人が、普通にクラシックの名曲を口ずさめるような環境になるのではないかと思っているんです。そのためには、「まあ、私がやるしかないでしょう」みたいなところがちょっとあるんですよね。
6歳からヴァイオリンを始め、桐朋学園大学を経て、イェール大学音楽学部大学院修士課程アーティスト・ディプロマコースを卒業。
94年マイケル・ティルソン・トーマス率いるマイアミのオーケストラ、ニュー・ワールド・シンフォニーに入団。97年からは本拠地を日本に移し、全国各地で数多くの観客を集め新たなクラシックファンを獲得している。06年には、新プロジェクト「高嶋ちさ子 12人のヴァイオリニスト」を立ち上げ、多いに注目を集める。08年は5月に新イタリア合奏団とのツアー、12月にはベルリン・フィル・ヴァイオリンアンサンブルとのツアーを全国で展開した。
現在、演奏活動を中心としながらも、コンサートプロデュース、テレビ・ラジオ番組、執筆活動等、活動の場は更に拡がりを見せている。
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