森ビル株式会社

職住分離型から経済と文化を両立した街へ

サントリーホール
サントリーホール

日本が敗戦を乗り越え、高度成長期に向かう頃、近代的とされていたのは、職住分離型の都市構造でした。しかしながら、これは長距離通勤を招き、人々から自由な時間を奪い、都心からは生活文化や緑を奪う結果となりました。
「経済活動を支えるだけでなく、文化的な魅力や豊かな環境を備えた都市をつくるにはどうしたらいいのだろうか」という模索から挑戦したのが、17年の歳月をかけた再開発「アークヒルズ」(1986年竣工)でした。アークヒルズは、オフィス、住宅、音楽ホール(サントリーホール)、ホテル、レストラン、店舗、会員制クラブ、社会人教育などを組み合わせた超高層のコンパクトシティであり、経済活動と文化活動の両立を目指したものです。一流の音楽ホールや教育&交流施設があることによって、働く場だけの街とは違った人々がここに集まるようになり、街に潤いや活力、魅力をもたらしました。「世界一美しい響き」をコンセプトに掲げて誕生したサントリーホールは、今なお多くの人々を迎え続けています。

「文化都心」の創造

六本木ヒルズライブラリー
六本木ヒルズライブラリー

「アークヒルズ」の実体験から「文化都心を創る」という構想が生まれ、次の開発「六本木ヒルズ」に受け継がれ、開花しました。
六本木ヒルズでは、コンパクトシティの中に、職・住・商・憩・遊・学・育・医といった多彩な都市機能や様々な文化装置を集約し、人々との出会い、交流、対話を育んでいます。森タワーの最上部にあえて美術館(森美術館)や会員制プライベートクラブ(六本木ヒルズクラブ)、社会人教育機関(アカデミーヒルズ)、会員制ライブラリーなどを集めました。
また、六本木ヒルズは、文化を育むだけでなく、それを国内外に発信する多彩な機能を備えています。テレビ局やラジオ局といった既存のメディアの存在はもちろん、街そのものをメディアとして捉え、ハード&ソフトの仕組みがあります。常に新しい何かが起きている場所、常に新しい知や創造や可能性が生まれている場所として、世界の人々がその魅力を求めて訪れる「デスティネーション」になっているのです。