森ビル株式会社は、この度、虎ノ門ヒルズ森タワーに導入した「高効率熱源・空調設備の計画と性能検証」の取り組みが評価され、空気調和・衛生工学会より第55回学会賞・技術賞を受賞しました。

「空気調和・衛生工学会 学会賞」は、公益社団法人空気調和・衛生工学会が1963年以来、学術と技術の進歩を図る目的で、毎年会員の論文、設備技術の業績などのなかから特に優秀なものを表彰するものです。
今回受賞した虎ノ門ヒルズ森タワーでは、オフィスエリアにおいて、中温冷水(室温により近い13℃の冷水)や低温温水(通常より低い37℃の温水)を熱源・空調システムに利用し、さらに竣工後の取り組みとして運用時の総合性能検証を実施することにより、従来システムと比べ年間一次エネルギー消費量の約24%削減を達成しました。

なお、当社における「空気調和・衛生工学会 学会賞」の受賞は、六本木ヒルズ森タワー(2005年受賞)に続き2度目となります。

受賞理由
本業績では、ビル事業者・設計者・施工者が一体となり、大規模テナントオフィスビル等に様々な取り組みがなされている。具体的には、「中温冷水利用」「冷凍機冷却水熱回収低温温水利用」「中温冷水と低温温水を最大活用する空調機」「大規模蓄熱槽クッションタンク利用」「熱源最適運転支援計画」等をコンセプトに、中央熱源空調システムにおける省エネルギーの新たな可能性に意欲的に取り組んでいる。特に、今までの空調設計の常識を見直して中温冷水利用や低温温水利用という新たな技術の可能性を示しており、これは今後省エネルギー化を目指す建築物においてスタンダードとなる可能性があり、その波及効果も大いに期待できる。また熱源機器の特性に基づく運転最適化を行っており、これもこの規模で採用した事例は国内にほとんどなく極めて先駆的な事例である。

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当社は、今後も、「ヴァーティカルガーデンシティ(立体緑園都市)」を理想とする都市づくりとその運営を通じて、“都市と自然との共生”、“都市の低炭素化”、“資源循環”を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。