森ビル株式会社はこの度、「第36回 緑の都市賞(※)」(主催:公益財団法人都市緑化機構)において、最上位である「内閣総理大臣賞」を受賞いたしました。「環境・緑」をテーマとした生物多様性の保全と回復、エコロジカルネットワークの拠点づくりをはじめ、「安全・安心」の観点から施設内の緑地や空地を防災に役立てる取り組み等が評価されました。

受賞理由
「環境・緑」と「安全・安心」を重要なテーマに掲げた街づくりに取り組み、平常時には心地よい空間として、非常時には安全な避難場所として、また、生き物にとっては生息や移動の拠点となる緑地の創出や保全に取り組んでいる。社会情勢・環境課題を的確にとらえた緑の保全、創出、活用に関する様々な取り組みは、民間企業の緑化への取り組みを常に先導してきたものとして高く評価された。

※緑の都市賞:樹木や花、水辺などの「みどり」を用いた環境の改善、景観の向上、地域社会の活性化、青少年の育成等に取組み、環境や社会に対する貢献の実績と成果をあげている市民団体、企業、公共団体等の団体を顕彰し、快適で地球に優しい生活環境の創出を推進することを目的としています。(主催:公益財団法人都市緑化機構)

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草地、樹林、水辺等多様な環境を創出し、
生き物の水飲み場ともなる虎ノ門ヒルズステップガーデン

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虎ノ門ヒルズのオーバル広場を活用した
ヨガワークショップ

生物多様性の保全と回復
当社では、自然と共生する都市づくりを目指し、量的緑化だけでなく、質的緑化にも取り組み、生物多様性の保全や回復に配慮した緑地計画を実施しています。これらの取り組みが評価され、アークヒルズ 仙石山森タワー(2012年)および虎ノ門ヒルズ(2014年)では、JHEP認証(公益財団法人日本生態系協会)において日本初となる最高ランク(AAA)を取得しました。

「安全・安心」につながる緑地空間の活用
「逃げ出す街から逃げ込める街へ」をテーマに、非常時に一時避難場所となる広場を設けるとともに、地元自治会や商店会、小学校とともに震災訓練を実施しています。また、六本木ヒルズの「けやき坂コンプレックス」においては、土壌や植栽により重量のある屋上庭園部分を活用した制振装置を組み込み、建物の安全性を高めています。

緑地を活用したコミュニティ活動
施設内の緑地を使い、オフィスワーカーや近隣居住者を対象に、都心にいながらも自然と触れ合える取組みを実施。六本木ヒルズの屋上庭園では田植えや稲刈りの体験、また、アークヒルズでも親子向け体験学習プログラム「ヒルズ街育プロジェクト」の一環として、街における環境とみどりの大切さを学ぶ環境ツアーの開催など、多種多様な環境教育やコミュニティ活動の場としても活用しています。

エコロジカルネットワークの拠点づくりで地域に貢献
六本木ヒルズやアークヒルズ、虎ノ門ヒルズをはじめとする当社各施設は、皇居や芝公園などの大規模な緑地を繋ぐエコロジカルネットワークの拠点となっています。このような大規模な緑地をつなぐ緑が増えることで、地域本来の豊かな生態系が都市に育まれ、東京は自然や環境面でも世界に誇れる街になります。また、虎ノ門ヒルズは、東京都が定める「東西の環境軸」と、皇居、日比谷公園から愛宕山、芝公園へと連なる「南北の環境軸」との交差点に位置し、今後の開発により創出する緑地も含め、周辺エリアでのエコロジカルネットワークの充実にさらに寄与していきます。

当社は今後も、ハード・ソフトの両面から、民間緑地の先駆的な取り組みを積極的に展開し、安全で緑あふれる都市づくりを推進してまいります。