この度、森ビル株式会社(東京都港区)前代表取締役会長 故 森稔が、高層ビル・都市居住協議会(Council on Tall Buildings and Urban Habitat/本部シカゴ、以下CTBUH ※1)より、生涯にわたり高層ビルや都市環境の進歩に類まれな功績を残した個人に贈られる「リン・S・ビードル賞」(Lynn S. Beedle Lifetime Achievement Award ※2)を受賞しました。なお、日本人による本賞の受賞は今回が初めてです。

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授賞式の様子:左)当社取締役 森佳子、右)CTBUH デヴィッド・マロット会長

受賞理由 (CTBUH会長 デヴィッド・マロット氏 コメント)
私たちは、ヴィジョンを持って世界をかたちづくることができる特異な才能に、稀に出会うことがあります。森稔は、まさしくそのような才能を兼ね備えた人物でした。彼は、建築を人々の営みの舞台と捉えていました。私たちは、そんな彼のレガシーである「ヴァーティカル・ガーデンシティ」(ビジネスや文化、環境が一体となった都市の住まい方)が、森ビルや彼の影響を受けた人々によって継承されていることを高く評価します。

森ビル取締役 森佳子 コメント
森稔は「理想の都市はどうあるべきか」を考え続けた人でした。「東京を世界一の都市にしたい」、その実現に向けて大きなヴィジョンと強い意志を持っていました。建物を高層化することで生み出された地上の空間で、人々はにぎわい豊かな生活を創造できるとの信念から、街づくりに尽きることのない情熱を持ち続けていました。代表作のひとつである六本木ヒルズは、国際的にも類を見ない街づくりのお手本として、今も世界から多くのお客様をお迎えしています。今回このような素晴らしい賞をいただき、私も大変嬉しく、また誇りに思っています。

(※1)高層ビル・都市居住協議会(Council on Tall Buildings and Urban Habitat)について
世界の建築・構造・エンジニアリングの専門家等により1969年に設立された、シカゴに本部を置く非営利団体。国際的に持続可能な社会発展を目指し、高層ビルの技術・知識の交流、発展のために、イベントの開催、出版物の刊行、研究、技術情報の提供などを行っている。その一環として、毎年、建築される高層ビルのレビュー、ビルの高さランキング、高層ビルの将来ニーズ研究などを発表、また優れた高層ビルなどを表彰している。2009年には、上海環球金融中心がベスト高層ビル賞を受賞した。

本部:米国シカゴ
役員:会長 デヴィッド・マロット(コーン・ペダーセン・フォックス社プリンシパル)
   副会長 ティモシー・ジョンソン(NBBJ社パートナー)
会員:約80万人 世界各国の建築、エンジニアリング、建設工事、都市企画開発等の専門家

(※2)リン・S・ビードル賞について
CTBUHの創設者でもある構造家のリン・S・ビードル博士の名前を冠した、生涯にわたり高層ビルや都市環境の進歩に類まれな功績を残した個人に贈られる賞。過去に、ロンドンのスイス・リ本社タワーやニューヨークで建設中の2ワールドトレードセンターなどの設計で知られるノーマン・フォスター卿、クアラルンプールのペトロナスツインタワーや愛宕グリーンヒルズなどを手掛けたシーザー・ペリ、六本木ヒルズ森タワーや上海環球金融中心などで名高いウィリアム・ペダーセンなど、世界を代表する著名な建築家やデベロッパーが受賞している。