森ビル株式会社は、このたび、災害時における通信手段の多重化を目的に、一般業務用無線(※1)免許を総務省関東総合通信局より取得し、無線を活用した独自のデジタル無線システムを構築しました。
通信利用の増大が懸念される大規模災害時にも輻輳(ふくそう)しない有効な通信手段として、六本木ヒルズ、アークヒルズなど大規模集客施設に導入、3月中旬より運用を開始いたします。今後は、5月末に竣工を予定している虎ノ門ヒルズにも展開予定です。

※1 一般業務用無線は通常、警察や消防、またバス会社・電力会社・ガス会社・報道機関など公共性の高い公私事業者に認可されるもので、一般民間企業による開設事例は殆どありません。限られた周波数を共同利用する簡易無線などと違い、エリア限定で割り当てられた複数のデジタル周波数を専用利用できるため、無線利用の増大が懸念される大災害時にも輻輳の心配がありません。また、固定電話や携帯電話のように通信キャリア設備に依存する必要もありません。このたびの免許取得は、当社の長年にわたる安全安心な街づくりへの取り組み、帰宅困難者受入をはじめとした港区など行政と連携した災害対応が評価され実現しました。

 

一般業務無線とFWA無線(Fixed Wireless Access)を併用した独自のシステム

新たに開発した無線システムは、帰宅困難者受入れを想定している当社の大規模集客施設5施設(※2)に導入。各施設内の災害対応拠点となる防災センターと、施設内各所で対応にあたるスタッフ間の通信手段として機能させ、来館者や帰宅困難者の的確な誘導など、各種対応に活用します。また、建物内に複数の中継アンテナを新設し、それらをネットーワーク(LAN)と接続することで、中継アンテナを介して各トランシーバー間で同報発信できるよう整備したことも大きな特徴です。
さらに、震災対策本部が設置される六本木ヒルズ森タワーと各施設は、一般業務無線と合わせ新たに免許取得したFWA無線(Fixed Wireless Access)で接続。本部と各ビルの情報伝達に活用するほか、トランシーバーを所有し活動にあたる全スタッフと一斉に交信することも可能です。

※2 六本木ヒルズ森タワー、アーク森ビル、表参道ヒルズ、パレットタウン、虎ノ門ヒルズ

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当社は、「逃げ出す街から逃げ込める街へ」をコンセプトに、今後も、災害時に安全安心にお過ごしいただける施設運営を実現してまいります。